コンテンツマーケティングでは動画の尺(長さ)は長くても良いという真実

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動画を使ったプロモーションをする上で、動画の長さ(尺)をどれくらいにすればよいのか?というのは気になるところです。これまで一般的には、「長い動画は途中で視聴するのをやめてしまうので、短い動画がよい」という意見が目立っています。

また「短い動画が良い、長い動画はダメ」という意見を裏付けるかのように、Snapchat、Instagramなどの尺の短い動画しか流せないメディアも流行しています。

しかしただバズれば良い、インパクトを与えれば良いという場合には短い尺が有利であっても、コンテンツマーケティングのように、明確なストーリー性でユーザーの態度を変化させるようなきちんとした戦略を持ったコンテンツの場合には、尺の長さは不利にはならないのです。

不利にならないどころか、YouTube Ads Leaderboardの2014年度版にランクインした動画広告の長さは平均3分なっており、Snapchat(わずか10秒間)、Instagram(長らく15秒、最近60秒に延長)などのメディアでは公開できない長さの動画が支持されています。

2014年ランクインの動画広告の尺は2013年度と比べて47%延び、2014年、2015年で1分以内のものでトップとなった広告はなく、この傾向は2016年も続いています。

短い尺の動画広告が効果的ではないという調査結果もある

YouTube Ads Leaderboardで短い動画があまりランクインしていないという事実は、「短い動画が良い、長い動画はダメ」という意見を持つマーケターにかなりの衝撃を与えました。

なんとなく短い動画が良さそうだ・・・という思い込みを、客観的事実がひっくり返してしまったわけです。

さらにGoogleの「In Video Advertising, Is Longer Stronger?」(動画広告において、長いことは強いことなのか?)という動画の効果を「尺の長い、短い」という観点からより突っ込んで考察した記事の結論も衝撃を与えています。

この記事では、15秒、30秒、150秒の尺を変えた3種類の長さの動画広告を用意して、視聴者が自由にスキップできるように設定しました。

15秒バージョン

30秒バージョン

150秒バージョン

この3種類の動画を視聴者に見せることで、Googleは下記の点を明らかにしようとしています。

1.視聴者のビュースルー率(VTR)は15秒、30秒、150秒でそれぞれどうなっているか

2.「視聴後の広告の想起」と「ブランドへの共感」という点で15秒、30秒、150秒の動画にはどんな違いがあるか

まず、1のビュースルー率(VTR)の違いについては、下記のグラフのようになっており、意外なことに一番短い15秒バージョンよりも、30秒バージョン、150秒バージョンの方がVTRがよくなっています。

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*ビュースルー率(VTR)の計算方法は 広告が再生された回数の割合(%)。「エンゲージ視聴の回数 / スキップ表示の回数」となっています。ここで「エンゲージ視聴」というのは、 スキップ可能に設定された動画広告が30 秒以上再生された回数(ただし30秒より短い場合は最後まで再生された回数)です。

したがって、Googleはこの事実から「動画は長いほうが強い効果を持つかもしれない」とはっきり記事で述べています。

また、「視聴後の広告の想起」については、短い15秒バージョンが大きな効果を上げました。長い動画を視聴するよりも、短い動画のほうが後からどんな広告だったかを思い出してもらいやすくなっています。

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しかしその横の「ブランドへの共感」の棒グラフを見ると、今度は再び30秒バージョンと150秒バージョンが圧勝です。広告をいったん想起してもらえれば、共感力は短い尺の動画よりも圧倒的に強いので、実際にコンバージョンにつながるようなブランドへの親近感において長い尺の動画の方が優位だといえるでしょう。

以上をまとめると、以下のようになります。

■ビュースルー率(VTR)では長い動画の方が優位

■視聴後の広告の想起では短い動画の方が優位

■ブランドへの共感では長い動画の方が優位

この結果から、「短い動画が良い、長い動画はダメ」という広く認知されている結論は、調査から分かる動画の視聴状況の実情にあっていない、ということが分かります。

【まとめ】コンテンツマーケティングでは、長い動画尺でコンバージョン率を上げることができる

コンテンツマーケティングは、単に動画の内容を想起してもらうだけでなく、その内容に共感を持ってもらい、最終的にはコンテンツを見た人が実際に商品やサービスを購入してくれることを目的とする施策です。

つまり、最後まで動画を見てくれるビュースルー率(VTR)に優れている長い動画で商品の内容の理解をきちんと訴えたり、長い尺の動画で得られる視聴後のブランドへの共感をCTA(コールトゥーアクション)に結びつけることで、より、コンテンツマーケティングの効果を大きくすることができるわけです。

この尺の違いの効果についての記事を公開したGoogleも、「どんなタイプの広告が効果を及ぼすかとうい調査結果は、ビジネスのゴールと関係が深いことを忘れないようにしましょう」と言っています。

つまり、単にバズれば良い、インパクトを与えることが目的だ、という場合には調査結果にあるように短い15秒バージョンの動画が優れています。

したがって、タイムセールで一時的にお客さんの注目を大量に集めたい場合などは、長い尺の動画よりも短い尺の動画の方が向いているといえるわけです。しかし、長い時間をかけてじっくりと見込み客を育てながら、商品やサービスに共感してもらい、最終的に商品を購入して欲しい、と考えるコンテンツマーケティングにおいては、長い尺の広告を選ぶほうが「ビジネスのゴール」に合った方法というわけです。

以上、コンテンツマーケティングにおいては、世間で思われているような「短い動画が良い、長い動画はダメ」という思い込みを捨てて、長めの尺で、きっちりとした訴求内容を表現した動画を用意することがベストの戦略だということがお分かりいただけたと思います。

ぜひ、コンテンツマーケティングで長い尺の動画を試してみてください。