ネットにおける購買心理の理解―3つの法則を活用して購入動機を促進

ネットの購買心理

通販のネットサイトを定期的にチェックするのが日課になっている人も少なくないはずです。

お気に入りの商品を少しでも安く売っているお店がないか、気になっている商品の情報を詳細に掲載しているページはないかなど、情報収集が買い物の第一歩となっていることはご自身の行動からもよく解っている事ですね。

では、この情報収集の段階から実際の購買活動に至るまでの思考ルート、その段階ごとに販売促進を仕掛ける仕組みを追ってみましょう。まずは、購買心理を深堀りしてみます。

1.AIDMAの法則

特定の商品を探し出し、実際に購入するまでの心の動きを表す言葉に「AIDMAの法則」というのがあります。

  • Attention(その商品をネットやテレビCM、雑誌などで知る)
  • Interest(自分自身に関係のありそうな商品だと理解し、興味を持つ)
  • Desire(自分自身のニーズを満たすものだと理解した上で欲しいと思うようになる)
  • Motive(お客様の声や表彰履歴などを読むことで更なる動機づけとなる)
  • Action(実際に購入行動をとる)

これは何も通信販売に限った事ではなく、ごくごく一般的な購買心理として理解されているココロの動きです。「そのジャンルには糸目を付けずに購入する層がいる」ような趣味性の高い商品でもない限り、ポン!と購入する人はほとんどいないでしょう。概ねの商品は、このような購入見込み客の心理状態を経た後、「これだったら買ってもいいかな」というお墨付きを得た、”選ばれし商品”ということになります。

まずは、この基本的な購買者の心理動向を抑えておきましょう。

2.AISASの法則

先の「AIDMAの法則」を元に、ネットでの購買心理を表す言葉として「AISASの法則」があります。

  • Attention(その商品をネットやテレビCM、雑誌などで知る)
  • Interest(自分自身に関係のありそうな商品だと理解し、興味を持つ)
  • Search(その商品について更に知識を深めるために検索すし、情報を得る)
  • Action(実際に購入行動をとる)
  • Share(使用感などをネットで共有する)

ネットでの購買行動での大きなポイントは「Search」と「Share」ではないでしょうか。時には販売担当者よりも知識を蓄え、類似商品との比較検討をじっくり行った上で購入のステップに至っているユーザーもいる程です。

更には、各種SNSで「知識の豊富なあのユーザーさんがいいと言っているから間違いないだろう」という口コミから購入に至ることも珍しくはありません。では、これらの二つの法則を理解した上で、こちら(販売側)で購買を検討している人との駆け引きをすることは可能なのでしょうか。

3.PASONAの法則

ネットで特定の商品のページにたどり着いたユーザーは、既にある程度の予備知識を手にしています。

そして、最後の一押しを求めている段階であることがほとんどでしょう。これを上手くリードしてこそ、「駆け引き」のイニシアチブを取ることができるのです。

これを「PASONAの法則」と言います。

  • Problem(購買を検討している人の問題点を明確化する)
  • Agitation(問題点を更に絞り込み、煽る)
  • Solution(その問題への解決策を提示する)
  • Narrow down(その商品の対象客を明確化し、販売期間や割引期間を限定する)
  • Action(購買行動へと導く)

多くの商品紹介ページでは、このような順番でライティングや商品関連写真が掲載されているはずです。これは、ページの仕上げ方だけでなく、会員登録などで得たアドレスへ送信するメールマガジンでも応用することができます。

例えば発行サイクルを週に1度と設定したとき、その顧客からメールアドレスを得た時期に応じて、上記の段階ごとのメールを順に配信するとよいでしょう。全てのアドレスに一律の情報を配信するのも悪い事ではありませんが、可能であれば順を追う方が読み手にとっては「腑に落ちる」ものとなるはずです。

4.ネットでの買い物は、3つの「やすさ」がキーワード

ネットで完結するタイプの買い物に、購買者は何を期待しているのでしょうか。

  • 買い物自体の「しやすさ」
  • 情報の「得やすさ」
  • 価格そのものの「安さ」

であるはずです。

つまり、「苦労せず、気軽に安い商品を探し当て、手軽に購入できること」が、ここまでネット通販の規模を大きくしてきたのです。何せ、自宅にいながら商品を吟味し、同じ商品でも安く取り扱っている店を一瞬にして調べることができるのです。

Amazonや楽天市場などではその傾向は顕著に見て取れることでしょう。同じ商品であっても、店舗によって紹介の仕方や価格が微妙に異なります。その中で、購買を考えている人たちは、自分にとってこれら3つの「やすい」を探しています。

4-1.「買い物のしやすさ」

ネットショップの代表的決済方法7種―その決済方法では約7割が離脱?」でも扱った通り、決済や配送方法の選択肢が多ければ多いほど買い物がしやすくなります。クレジットカード所有者であればカード決済を好むかもしれませんし、たとえカードホルダーであってもネットに番号を入力するのをためらう人もいるでしょう。ネットバンクで即時振込をしたいというニーズ、商品を確認した後に後払いしたいと言う希望を持っている人もいるはずです。

それぞれの希望に沿えるような「買い物のしやすさ」を意識しなければなりません。

4-2.「情報の得やすさ」

商品ページを作成するに当たり、上記の「PASONAの法則」を意識し構成しましょう。

また、「お客様の声」を掲載することにより、その商品のメリット・デメリットを隠さず公開してください。もちろん、商品解説のライティング担当者は、それらのユーザーの声を反映させた文章を書くよう心がけるとよいでしょう。

Facebookページを立ち上げ、本サイトとのリンクを張っておくのも有益です。ユーザー同士の情報交換もできることから”コアなファン”を獲得することもできるでしょうし、更にはそれらユーザーからの生の声に常に触れることができるのです。

スタッフブログのコメント欄を利用することもできます。商品の購入を考えている人、更に使いこなしたい人は、やはり情報を得ようとしています。

4-3.「価格そのものの安さ」

完全に同じ商品、または性能が類似の商品に置いては、購買を検討している人にとって決め手となるのは「安さ」です。価格競争で疲弊することを避けたいのであれば、「期間限定での値引き」や「何らかのおまけ」で購入へのハードルを下げるようにしたいところです。

もちろん、同じ商品を扱う多店舗との差別化として「サポートが手厚い」ことも購入の決め手となることがあります。いつでも相談に乗ってくれる、商品のケア方法のアドバイスをしてくれるといった、より専門的なサービスを付加することで、実質「安い」と思ってもらうことも可能です。

値段そのもので勝負できないのであれば、他のサービスで差をつけるべきです。

5.文章によって商品をアピールする手法

文章だけで商品を「疑似体験」させることは難しい事です。可能な限り、デザイナーと相談しながら効果的なデザインと共に文章を考えなくてはなりません。

ですが、その商品を手にすることで得られる満足感をイメージさせることならば、文章でもある程度カバーすることができます。

5-1.その商品から得られる心理的高揚感を表現する

どんな実用品でも、その商品を購入し手にした瞬間は誰にとっても心躍るものです。「この商品でどれだけ生活がラクになり、作業が効率よくおこなえるだろうか」と、商品の実力を頼りにしているからです。

この「商品から得られる高揚感」を言葉でアピールする方法の代表例として

  • ボタン一つで(簡便性)
  • バリスタが淹れたような・熟練のマッサージ師の(得られる効果)
  • 1回あたりの電気代は(値ごろ感)

などがあります。

これらを上手く組み合わせることにより、「カンタンに、安く、ユーザーの希望する効果が得られること」を表現してください。その商品を購入することにより、よりラクで、なおかつリッチな気分になれるのかを印象付けるのです。

先に触れたように、商品の購買を検討している人は、3つの「やすさ」を求めています。

5-2.関連商品のバンドリング

例えば全自動のコーヒーマシンがあったとするならば、それは「コーヒーマシン」と「コーヒー豆」という組み合わせで実際に利用できるものとなります。

スーツは単体では着ることができません。そのスーツに合わせやすいシャツやネクタイなど、他の物を一緒に提案することができるでしょう。

  • 「この組み合わせでよりおいしいコーヒーを」
  • 「この組み合わせでベストな着こなしを」

商品を購入することには、「出費」という傷みが伴います。

その商品のメリットは解ってはいるものの、やはりどこかでためらいを持つことも当然です。「うまく使いこなせるだろうか」「うまく着こなせるだろうか」…。

このような悩みを解消しつつ、同時に他の商品も購入してもらうために「バンドリング(※複数の商品・サービスをまとめて一つの商品・サービスとして販売すること)」にチャレンジしてみてください。バンドリングすることで、購入者には「安心して使いこなせる・着こなせる」という安心感を提供できると共に、販売する側にも更なる利益をもたらしてくれるでしょう。

その商品を使うために定期的に必要となる物を、メールマガジンなどで耳寄り情報として提供できれば、息の長いお付き合いができる可能性が高まります。

このビジネスモデルとされるものには、プリンタ(インクで利益を上げる)、独自のカプセルで淹れるエスプレッソマシン(専用カプセルで利益を上げる)があります。これも一種のバンドリングと言えるでしょう。

5-3.高価な商品には「ストーリー」を添える

先の「その商品から得られる心理的高揚感」とも類似していますが、高価な商品ほどその高揚感を押し出さなくてはなりません。高価な商品は、単に実用性だけでなく、その商品を購入・保持することからくるある種のステイタスを醸し出すことが求められるからです。

  • 創業から100年以上(歴史)
  • 厳選された原材料(商品が高価である理由)
  • 熟練した技師による(商品の堅牢さなど)
  • 一生モノ(流行に左右されないロングセラー)

高価であればあるほど、その商品が愛され続ける理由を人は求めます。そのため、その商品が生まれるまでのストーリーを添えることで、「この商品がこの価格であること」に納得をしやすくなるのです。

景気低迷と言われて久しいですが、その中にあってもここ数年「いいモノにはお金を支払う」という流れができていることは報道などでご存知の通りです。このような商品を取り扱う際には、これらバックストーリーを添え、それを印象付ける画像を効果的に使用することから、いいイメージを抱いてもらえることでしょう。

【まとめ】ネットにおける購買心理

ネットで物品やサービスの販売を行うためには、

  • 問題を認識させ
  • 解消法を提示し
  • 商品のメリット(簡便性・1回あたりの価格など)を明確にし
  • 購入を促す仕組み(今なら●%OFFなど)を施す

ことが必要です。

今抱えている問題を取り上げ、それを多少煽り、解消方法として商品やサービスを提示し、今購入するメリットを示す―。言葉が適切かどうかは別として「アメとムチの使い分け」が基本なのです。

ネット上で類似商品がひしめく中で、自社の取り扱う商品を押し出すためには、これに

  • 情報共有

という側面を加味しなければなりません。

口コミを(可能であればサイト管理者の手元で)やり取りできる場を設けることは、このネット特有の情報共有を意識したよい方法です。

購買心理の理解と、ネット特有の購買者行動を常に意識することで、サイトのブラッシュアップを怠ることなく行わなければなりません。購買心理にフィットするということは、買ってもらえばそこでおしまいではなく、長いお付き合いをお願いすることに繋がります。

常に何らかの形でコンタクトを取り、そのテンションを保ち続けることもヘビーユーザー育成のために大切なものなのです。