【実録】フリーライターになるには?フリーライターになる為に学んだ3つの事

フリーライターになるには

「フリーライター」。

何となくオシャレでカッコいいイメージのある職業として捉えられているが、その実どうなのだろうか。

筆者の知人であるフリーライター佐々木氏に聞いてみた。

1.フリーライターの現実を知る

「そんなイメージで受け取られているのだったら、ちょっと違うかな」
それが彼の、現在の職業に関する素直な答えだ。

実際の暮らしぶりを聞いてみた。
「1文字何円の世界だから…。バブルの頃は1文字10~20円なんて頃もあったみたいだけど、今は1円とか2円とか。
定期的に仕事をくれるクライアントを複数常に持っていないと、生活するまでにはなれないよ」

―で、実際に生活できてる?
「うーん…。波があるからね…。
寝る間を惜しんで複数の締切日をこなさないとならない月もあれば、閑古鳥が鳴く月もあるよ。
それに、IT関連の業種から発注される仕事なんかでは顕著だけど、月末締めの翌々月支払なんてこともあるから、もうね、ただただがむしゃらに、って感じかな。
生活費が足りなくなる月もあって、手放したくなかった楽器なんかを売り払ったこともあるよ」

そう。
ラクな仕事ではないのだ。

彼の営業トークは必ずこれから始まる。
「フリーライターの佐々木です。フリーと言えど、全然フリーじゃありません」。

2.モノを書くには、「自ら学ぶ姿勢」こそがキモ

もちろん、フリーライターを目指すには様々なきっかけがあるだろう。
子どもの頃から憧れていた職業だった、学生時代にモノを書くことに目覚めたなど。
佐々木氏の場合はどうだったのだろう。

「そもそもは、とある業界専門紙のWebのデータ管理作業をしてたんだよ。1年位経ったある日、突然異動。
実は、高校中退だったもんだからそりゃ大変だった。
多くの文学に触れていたわけじゃなかったから、日本語の基本の基本から徹底的に、ね。

更に、新聞なりの書き方というのか、ルールがある。
「記者ハンドブック」なんて本も買ったよ。
”何で俺が記者に?”って最初はかなり抵抗感があったけど、
書くこと、人に伝えることの意義を感じてからはいろんなことを勉強したよ。
会社から経費で認められない専門雑誌を自腹で定期購入したり、
上司に叱られながらも、記事にならない”学び”のために人に会いに行ったり。
まぁ、周りから”ハングリー過ぎる”って言われたけど、
あの時間がなければ、今の自分はいなかっただろうな」

3.指導を”受ける”んじゃなくて、”自ら”出る杭になれ

―指導してくれる人はいなかったの?

「一応指導的立場に立ってくれた人はいたんだけれどね。
新聞とか雑誌とかの現場ではよくあることなんだけど、記者それぞれに主義・主張があるんだよ。
物事は多面体。そのどの面から見るかで、時には物事の善悪が違って見える。
その主義・主張の違いで、その先輩からある日突然見捨てられてしまった。
その後はね、もう地獄だった。
生意気にも、異動後半年で企画広告ページなんかも抱えてたし、毎日の記事は書かないとならないしで…」

―OJTは望めなかった?

窮地を見て助けてくれたのが、デスク(記者に取材指示をしたり、原稿を手直ししたりする最後の砦の役割)のおじいちゃん二人だった。
指導をしてもらえる代わりに、彼らの仕事もそばで見て覚えないとならなかったんだよ。
取材に出る時間は減り、デスクに指導される時間が増えた。
既にいっぱいいっぱいだったけど、デスクから更に時間を要求されたんだ。
他の記者からメールで送られてくる記事に不明点があると”これはわからん。佐々木、お前ウラを取り直し(証拠確認)して書き直せ”って」

―既に書いた記事に手を入れる…トラブルはなかった?

「もちろんあったよ。
中には10年選手の記者の記事のウラの取り直しもあったからね。
”何でお前なんかに手を入れられなきゃならんのだ!”って怒鳴られることも何度もあったよ。
でも、そこで思ったんだ。
”人に何かを伝えるという役割を与えられた以上、出過ぎる杭にならなくては”と。
言葉ででも、行動ででも、こいつの言うことなら間違いないという説得力を体現しないとならないってね。
デスクが自分の仕事を敢えて投げて来ていたのも、そのことを教えようとしていたと思うんだ。
これこそが、最強のOJTだったと今なら思える。
10年選手の書いたことを根本から覆すこともある訳だからね」

4.記者からフリーライターへ―今でも活かされている技術は?

―記者からフリーライターになったきっかけは?

「あまり詳しくは言えないんだけど、一言で言えば、10年選手の記者をかばったことが裏目に出たんだね。
前々から社内で変なウワサが流れていた人だったから、ことあるごとに”それが単なるウワサなのなら、嫌疑は払拭してください”と伝え続けた。
退職直前には、記者、デスク補助から新人指導までしていたから、組織を回す視点まで持ってしまってたんだ。
彼はそれが気に入らなかったんだろうね。
ある日突然人が変わったように”お前がスパイか”と根拠もなしに怒鳴ったんだ。
他社に情報を流してるんじゃないかという内容だった。
実は、彼こそがその嫌疑をかけられていたんだけれども。
まぁ、モノカキ業界にはよくあることだけどね。
その瞬間に気持ちが決まったんだよ。
”もう、ここでできることも学ぶこともない”って。
それからは早かったよ。
即、退職願を出したんだ」

4-1.何かを”伝える”ために必要な技術とは―”あいまいさ・ウソ回避”

―書くことの経験がまったくゼロじゃないんですね。今でも活かされていることは?

「やっぱり、”ウラを取ること”。これが全て。
どんなにうまい文章でも、そこに書いてあることが曖昧だったり、ウソだったりしては信頼をなくす。
きっちり調査をすること。
それと、知識がゼロの人が読んでもわかるような文章を心がけること。
ブログみたいにラフな文体でも、この2点がクリアされていれば価値のある文章だと思う」

4-2.”人を傷つけない”こと

―その他に心がけるべきことは?

「そうだね…紙媒体であろうとネットであろうと、一度文字になると人はそれを信じてしまうということを肝に銘じておくことかな。
イメージコントロール権というのかな、”自分は他人にどう見られたいのか”というのは、誰でも常に意識しながら生きてるよね。
取材対象が人物の場合、これをきちんと意識してインタビューなどしておかないと、後々大変なことになる。
最初にも言ったけれど、物事は色々な面を持っているからバランスよくとりあげ、人を傷つけない文章を心がけないとならないよね

―確かに、twitterなどでも、冗談のつもりが冗談でなくなるケースも多発してますね

「文章として流れたものは、基本的に取り返しがつかないことは常に意識した方がいいね。
基本的に”間違ってました。ごめんなさい”で済まないことの方が圧倒的に多い」

―書き手として大事なのは”ウラ取り”と”人を傷つけない・惑わさない”こと?

「最低限のルールだよ」

4-3.経験ナシから始めるフリーライター―得意分野を持つこと

―全くの経験ナシからフリーライターになるということについてどう思いますか?

「充分成り立つと思う。
主婦のレシピブログが本になったり、ネット公開からヒットした小説もあるくらいだから…。
でも、やっぱりそこには、何らかの専門性がないとダメだと思う

―専門性?

「例えば、今はやりのクラウドソーシングなどで募集されている案件を見てみるといいよ。
”金融”、”健康”など、しっかりとした知識や経験の裏打ちが必要な案件は単価が高い。
それだけニーズが高いってことだよね。
誰にでもできるなんて謳い文句の案件は、ひどいものだと1文字0・1円なんてのもあるよ」

―そもそもに立ち返って、フリーライターって何を指すんだろう。

「誰にでもなれるものだよ。”自称”でいい職業。
だからこそ、きちんと勉強して知識を蓄積できる仕事を請けるのか、
単価は安いけれど細切れ時間を使ってちょこちょこ捌ける仕事を選ぶのかで自分のライターとしての価値を決めてしまう面もある。
もちろん、副業や、主婦が子育ての合間に行うものならば、時間的制約から後者を選ぶかもしれない。
でも、本業としてやっていこうと思うなら、多少ハードルは高くてもしっかりと”学べる”案件を選ぶべきだと思う。
得意分野の知識を増やすのは、全然苦にならないだろうから、多少調べものが多くても、将来の自分を養ってくれるはず」

5.ライターのキホン

―もう一度…フリーライターとしてモノを書くことの基本とは…。

「極力知識の深い、ないしは興味のある分野を選ぶこと。
そして、ウソを書かない事、人を傷つけないこと。
これが最低限守るべき事だと考えてる。
初めて仕事を一緒にさせてもらうクライアントとは、人としてのコミュニケーションを取れる関係になれるように努力する。
もちろん受発注の関係ではあるけれど、主従のような関係であるならばいずれその関係は破綻する。
価値あるものを提供できているのであれば、その知識や書く技術をクライアントは評価してくれるから。
俗にいうところの”Win-Win”を目指して、と言いたい」

―その他、フリーライターを目指す人に伝えておきたいことは?

「これは間違いなく言えるけれど、本業としてライターになるには既にその専門性がある程度確立されている必要がある。
そして、収入がなくとも半年間は生活できるだけの蓄えを持っておくべき。
自分が今痛い思いをしているからね。
お蔭様で人には恵まれているので生きては行けるけれど、自分自身も”今後の自分に期待”している部分が大きい。
頑張らなくちゃね」

6.やはり、フリーライターはフリーではなさそうだ

佐々木氏の生活パターンを窺がっていると、それはもう夜昼がひっくり返っている状況。
日中電話してもつながらないこともあるし、やっとつながっても「ああ、今取材中」なんてこともザラだ。
そこに、「フリー」という言葉が醸し出す”優雅感”はみじんもない。
フリーライター=自由業と表現する人もいるが、全く以て自由はない。

更に、自営業者であることから、不慣れなお金の管理も自ら行わなくてはならない。
(安くとも)定まったお給料であればやりくりの目途も立つところ、お金のモトであるクライアント探しも、集金も、資金のやりくりもすべて自分でやらなくてはならない。

もしも、本業としてフリーライターになりたいという人がいれば佐々木氏はエールを送ると同時に、「慎重に」と言うだろう。
モノを書くという苦しい経験を、どこかの組織で一度はしておいた方がよさそうだ。

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