インタビューライティングはノウハウ次第で意外に簡単?~プロ記者のコツを伝授します!

インタビューライティングのコツ

コンテンツの目玉としてインタビューを成功させ、記事としてまとめたい。是が非でも、良いコメントを引き出して注目記事に仕上げたい!

しかし、アポイントをとったはいいが、上手にできるかどうか胸のうちには不安がいっぱい。

「未経験だが、上手にできるだろうか」

「肝心な、最も聞きたいことを聞き出せなかったらどうしよう」

「魅力ある記事に仕上げるには、どうするべき?」

そんな悩みを抱えるインタビュアーに、キャリア15年以上のベテランライターがコツを伝授!

1.取材対象の“背景”を知るべし

インタビューライティングを成功させる秘訣があるとすれば、解答はひとつ。

“良いインタビューをするべきである”

これに尽きます。

インタビューを、いかに実りあるものにするか。ひとえに、これにかかっているといえるでしょう。

インタビューに出かける前に、まず知っておくべきこと。それは取材対象の“背景”です。背景というのは抽象的な言い方ですが、これを具体的表現に直すと以下のようになります。

  1. 取材対象の経歴などプロフィール
  2. 取材対象の分野、業界

「1.」は、取材対象が人物や企業であるケースで必須の作業です。スポーツ選手ならその成績や出身校、出身地、エポックメイキングな試合など。有名企業の社長にインタビューする場合でも同じで、その経歴を知っておけば会話をスムーズに運ぶための潤滑油になりえます。

その人物が本を出したりブログを開設していたりするなら、あらかじめ読んでおくべきでしょう。マナーとしても、当然のことといえます。

企業の場合なら、創業からの歴史や得意分野、企業理念などが対象になります。それらを知っておくことで、質問の内容に幅が出ます。

「2.」に関しても「1.」と同じく、事前に下調べしておくのがインタビュアーの常識です。当然、その業界に属する企業がどういった事業やサービスを行っているのか、そのことについてです。

たとえば取材対象の企業がIT関連でSEO対策に最も注力している場合。そのことについて一切知らないのでは会話がはかどらないですし、相手の言葉がチンプンカンプンに聞こえるはずです。

門外漢にとって意味不明な専門知識や用語に対しては、むろん質問するべき。とはいえ、少なくともSEOに興味のあるユーザーレベルで常識となっている範疇のことなら、頭に入れておいたほうが有利です。

当該分野や業界のプロになる必要はありませんが、

“この業界に対して個人的に興味がある”

といった姿勢を伝えることも、インタビューを円滑に進めるためのファクターとなるケースが多いです。

2.インタビュアー自身の意見を述べる

意外に思われるかもしれませんが、インタビュアー自身の意見が潤滑油となるケースも存在します。

筆者がまだ駆け出しだった15年ほど前、IT関連某企業の代表取締役を取材しました。正直、当時の自分はその業界に疎く、インタビューというよりは教育を受けている印象。知識のある同行者に頼りきりで、タジタジでした。

ところが、この辺がシロウトの恐ろしいところか。頭に浮かんだふとした疑問を口にしました。

「今後は誰もがIT社会の恩恵を受けるとおっしゃいましたが、しかしべつの角度で、知識やスキルの格差が生じるのでは? それがそのまま、社会的地位の格差につながる懸念はないですか?」

口にした瞬間、失礼なことを言った、機嫌を損ねたのではないかと思ったものです。

が、その社長はむしろ従前よりも熱っぽく語り出し、インタビューも記事もとても深い内容になりました。

ようするに、社長の“ホンネ”が聞き出せたわけです。通り一遍のお上品なタテマエ記事でない、より深く突っ込んだ際どい内容。一種の事故みたいなものですが、あの一見非礼とも思える質問によってインタビュー自体が活況を呈したのは間違いありません。

以降の筆者は、これをひとつのコツ、テクニックとして使っています。

“取材者の意見を怖がらずに述べる”

筆者の経験では、これで叱られた、追い出されたなどということは起きていません。

そもそもインタビュアーとは、なにがあっても食い下がるド根性を持っているべきですから。

3.雑談がお互いの気分をほぐす

前項の内容とも関連してきます。

“いかに、場の雰囲気を良いものとするか”

この点に気を配らないと、思い通りに質問し、クロージングすることが難しくなります。取材対象も取材者も同じ人間ですから、やはりムードに左右される部分は大きいです。

こういう場合に役立つのは、案外、たあいのない内容の話が多いものです。ちょっとしたほめ言葉も、役立つケースが多いです。

「そういえば野球は、どちらのファンですか?」

「先日、天皇賞の馬券が当たりまして。みんなに言ったら、すべて飲まれてしまいました」

「社長はお若いですね。若さの秘訣をお聞きしたいです」

「インテリアはどなたの趣味ですか? たいへん落ち着いていられる配色ですね」

こういった余談のような言葉を、話の流れのなかでときおりはさむ。あるいは最近の自分にとって印象深い出来事として、挨拶の後、はじめのほうで手短に話す。タイミングは臨機応変ですが、こうした無駄話とも思える会話が、互いの緊張をほぐす役割を果たすケースが往々にしてあります。

もっとも、なかにはこのような余談を好まないタイプもいますから、相手をよく観察することは大事です。こうした取材対象に出会った場合には、

“笑顔”

これが雰囲気緩和剤になります。

筆者はかつて某有名企業のオーナー社長を取材したとき、こう言われました。

「心から笑っている相手には、よほどの変人じゃない限り、誰でも心をひらくものだよ」

この言葉は、今の自分にとっても金言です。

そのため駆け出しの頃は、取材対象を単なる仕事の相手と思わず、ファンとして訪れていると考えていました。すごいことをやっている会社、人。そういう相手と出会うのだと自己暗示をかけていたものです。

現在では、人と会って話をすること自体が楽しい。知らない世界を覗き込み勉強できることが嬉しい。

 “自分は、なんて幸せな職業なのだろう”

そんなふうに思いますから、つくらずとも、勝手に心底から笑いが湧きます。

相手も笑顔になってくれれば、インタビューは自然と、円滑に進んでいくものですよ。

4.一生懸命さをにじませる

笑顔で語りかけても反応が薄い、最初からずっと仏頂面で語りもボソボソ。少数派ではありますが、そんな取材対象に当たってしまった場合。

たいてい、人は自分とまったくかけ離れたタイプには警戒心を抱くものです。心理的に距離を置かれてしまうのは避けたいですから、そういったケースでは、インタビュアーが自分のペースや方法にこだわるのは下策です。

とはいえどんなに無愛想でも不機嫌でも、一生懸命なインタビュアーには情が湧くもの。筆者自身そうした取材対象に出会い困惑した経験がありますが、まずは相手の喋るスピードや声の大きさに合わせてみて、

 “声に出して相槌を打つ”

 “大きくうなずく”

 “目や身振り、表情を使い、驚きを表現する”

 “いいことを教えてもらったと言葉に出す”

徐々に工夫し、もしくは演技しながら取材を進めていきました。そうするとだんだん取材対象の表情がほぐれ、和らいでいったものです。

こちらは懸命にあなたの話を聞いているのです、といった雰囲気をかもし出されて、嫌な気分になる人は少ないでしょう。そうしたプライドをくすぐる方法は、営業マンと同じです。

もっとも、この営業マン的手法は大げさすぎると逆効果。バカにされたと感じさせるケースもありえますので、ほどほどに。

5.メモ帳とICレコーダーを併用するべし

インタビューというと、メモ帳片手にペン片手。あるいはマイクを手にしたインタビュアーの姿を連想すると思います。新聞や雑誌の記者なら、前者ですね。

筆者も取材時にはメモ帳を必ず持参します。システム手帳のような大柄でかさばるものではない。白紙の部分が広くなっていて、文字をたくさん書き込めるタイプのものを使います。

結論として取材時には、メモ帳とICレコーダーを併用するのが望ましいと筆者は考えます。

インタビュー完了後にライティングする際にも深く関係してきますが、いずれか片方だけでは、文字通りの片手落ちになるケースがしばしばあります。

ICレコーダーは会話内容すべてを自動的に録音できて重宝ですが、これのみでは、懸命さが失われます。なあなあで話している、といった感覚を、取材対象は感じるものです。

逆にメモに書き記すだけでは、大事な話を書き漏らすことが起こりやすくなります。速記者でもない限り、話すスピードに対してペン先は追いつけないものですから。

要点としては、以下のようになります。

  1. インタビューの全体像を、ICレコーダーで記録する
  2. 重要な部分を、メモ帳にとっておく

こういうダブルスタンダードで臨むのが一番です。

いざ、書く段階になって、

「アレ、この部分はどうだっけ? 必要か、不必要か?」

そんなラビリンスに迷い込まないためにも、上記ツールを駆使しましょう。

6.可能なら複数人で訪問すべし

カメラマンを同行させる取材なら考える必要はないですが、読者のインタビュー経験が薄いなら。なるべく複数人体制で取材に臨むのがベターです。

担当営業がいるなら、その人物と。先輩インタビュアーが行けるなら一緒に。見習いがいるなら同行させて。

最低2人の布陣。タッグを組むことを推奨します。

なぜかといえば、1人で相手先に乗り込むよりも、2人のほうが心理的に楽だからです。余計なプレッシャーを感じずにすみますし、見習いにとっては勉強になります。

また、こうすることによって思わぬ副産物が生まれるケースもあります。

メインのインタビュアーが知らないことを、同行者が知っていて会話が円滑になるケース。メインのインタビュアー以外が補足質問することによって、取材に深みが出る相乗効果。同行者もメモ書きをしていたおかげで、漏れがなくなるケース。様々な効果が期待できます。

1対1で将棋の対局をするようなインタビューを行うよりも、さらに人数を追加した複数人のほうが、会話は弾むものです。例はよくないかもしれないですが、合コンのようなものですね。

合コンといえばですが、取材先の担当者が男性でインタビュアーも男性なら、同行者は女性であるのがベターです。逆のパターンなら、前記の性別はもちろん逆。異性が同じ空間にいることで雰囲気の緩和が見込めますし、良いコメントを引き出せることが多いです。

取材対象も、人間です。いかにも仕事仕事している雰囲気よりも、口が滑らかになるというものです。

7.取材全体の“絵”を描くべし

最後の項目になりますが、ここで語る内容が最重要。これまでに語った上記6つが、小項目としてこのなかに包括されているとイメージしてください。

相手先へ出向く前の段階。当然、インタビューはまだ終わっていません。

しかしこの段階で、取材全体の“絵”を描いておいてください。

言い換えるなら、起承転結です。

どういった内容の質問から開始し、どのようなクロージングへと導いていくのか。まだ取材以前の段階ですので、具体的である必要はありません。あくまで大雑把。それで構いません。

もっと簡潔な言い方をするなら、

“インタビューの設計図”

下調べを行った上で、これを脳裏にイメージする。ボクシングに置き換えればシャドーボクシングです。

どんな話からスタートするのか。

一番に尋ねたい事柄、知りたい内容はどれか。

相手がこんなことを言ったら、どう答えるか。

想定される諸々の内容をメモしておき、イメージしておく。シャドーボクシングを比喩としてあげたとおり、イメージトレーニングです。これだけでずいぶん、インタビュアーの緊張がほぐれます。

また副次的効果として、本当に質問したいキーワードを忘れずにすみます。取材から帰った後に、アレを聞いておけばよかった、アレもコレもと後悔するケースは意外にあるもの。そうした失敗を起こさないためにも、このトレーニング&メモは重要です。

キャリアのあるベテラン記者でも、インタビューでは緊張します。緊張の度合いが初心者とは異なるだけで、胸の鼓動が高鳴る感覚は、何年たっても持ち続けます。

前にも書きましたが、インタビュアーには度胸が必須。ゆえに緊張や心細さに負けないためにも、こうした予防的トレーニングが必要になるのです。

以上6つのインタビューライティングにおけるコツ、あるいはテクニック。いかがだったでしょうか?

読者のお役に立てれば幸いですが、

「どうしても緊張しそう」

「うちの人員じゃ、今は難しい」

「インタビューはできそうだが、いざ書くとなったら自信がない」

そういった悩みをお持ちの場合は、弊社に是非ご相談を。

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