あなたは大丈夫?大人でも間違いやすい日本語と正しい使い方

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ネットで見かけた文章、テレビで耳にした表現などで、何か変だなと思ったものはありませんか?例え大人であっても、間違えて使っている日本語はたくさんあるのです。クオリティの高いライティングを目指すなら、そうした間違えやすい表現を知っておきましょう。どのような間違いが多いのか、ご紹介します。

日本語ネイティブでも間違えやすい日本語とは

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慣用句の間違った使い方

子供だけではなく教養のある大人でも、たまには日本語を間違えるものです。特に日本で生まれ育ち日本語を第一言語として使用している、いわば日本語ネイティブの人でも、間違えやすいのが慣用句。慣用句とは特定の意味がある定型句として使われている単語や、ひとまとまりになった文章のことです。

「財布の紐が固い」という慣用句において、現代では既にポピュラーではない物(紐で開閉する財布)や習慣(紐を絞る、結ぶことで財布の口を締める)が含まれています。それでも古くから定着しているため、そのまま使われ続けていることも少なくありません。景気が悪いことを伝えるニュースで「消費者の財布の紐はまだまだ固い」といった使われ方をすることがあります。

このように、慣用句は時として現代にない言い回しを含むので誤用が起こりやすかったり、間違った意味で定着してしまっているものも少なくありません。では特によく耳にする慣用句の間違いを、いくつかご紹介します。

やおら

「彼女はやおらドアを開けて去っていった」という文章の意味を、「突然ドアを開けて」と解釈していませんか?ここで使われている「やおら」はゆっくりとした行動につく言葉なのですが、急な行動を表すと勘違いしている人は多いようです。

憮然

同じように誤用されがちなのが「憮然」。「それを聞いた彼は、憮然とした表情を浮かべた」というように、よくムッとした表情を浮かべる意味で使われてしまいがちですが、意味は「がっかりする」、「驚いて呆れる」といったもの。

ことわざの間違った使い方

ことわざも間違った意味で使われていることが多く、中には誤用がかなり定着してしまっているものもあります。意味を間違えやすいことわざのいくつかをご紹介します。

情けは人の為ならず

「情けは人の為ならず」ということわざは、本来は「情けをかける(親切にする)と、巡り巡って自分も人に親切にしてもらえる。つまり人の為ではなく自分の為になる」という意味です。ところが昨今は、「人に親切にすることは、その人の為にならない」という意味で使われることが多いそう。

三つ子の魂百まで

お稽古事などは、小さい頃からやらせた方が身につきやすいという意味で使われがちな、「三つ子の魂百まで」。本来は「人の性格は大人になっても変わらない」という意味なのです。もし前者の意味でことわざを使いたければ「雀百まで踊り忘れず」を使いましょう。

定着しつつある『行かれる→行ける』

慣用句やことわざの誤用と共に、国語教育において悪しき見本として挙げられがちなのが、「行かれる」が「行ける」、「食べられる」が「食べれる」となる「ら抜き言葉」です。しかし以前は間違っている表現の代表格のように言われていた「ら抜き言葉」ですが、調査によると「ら抜き言葉」を使う人の方が多くなり、定着しつつあるという変化も。

このことは文化庁で年に一度まとめている「国語に関する世論調査」の、2015年の結果の概要を見れば明らかです。それまでは正しい使い方を下回っていた「ら抜き言葉」の使用率が、この年初めて逆転したとのこと。例として挙げられている文章、「今年は初日の出が見れた」という「ら抜き言葉」を見てみると、48.4%が使うと答えています。正しい使い方の「今年は初日の出が見られた」方はどうかというと、使う人の割合は44.6%と若干「ら抜き言葉」を下回っています。

(参考URL:http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h27_chosa_kekka.pdf

しかも高年齢層に比べて若年層では「ら抜き言葉」の定着率が高く、40歳を境にそれより若い年齢層では、「ら抜き言葉」の方が正しい使用よりも率が高くなっています。言葉は生き物なので、いくら識者や学者が間違っていると言っても使いやすさなどで人気が継続し、定着してしまうこともあるようです。

文化庁の世論調査で解る、ポピュラーな誤用

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先ほど触れた文化庁の「国語に関する世論調査」ですが、言葉に関する意識調査をし、様々なグラフを用いて見やすくまとめています。内容は敬語について、挨拶について、会話の手段についてなど多岐に渡りますが、慣用表現の誤用についても触れています。

例えば2016年の結果の概要を見てみると、ポピュラーな誤用が解ります。誤用の例として挙げられている一つが「さわり」。「話のさわりだけ聞かせる」という例文が載っていて、「話などの最初の部分のこと」を選んだ人の割合が53.3%なのですが、本来の意味は「話などの要点のこと」で、選んだ人の割合は36.1%です。

概要に掲載されている誤用の例をもう一つ挙げてみます。「今回の映画は、あまりぞっとしないものだった」という例文が挙げられていますが、「ぞっとしない」の意味を「恐ろしくない」とした割合が56.1%。しかし本来の意味は「面白くない」なのです。年代別の折れ線グラフを見ると、年齢が上がるにつれて正しい意味を選んだ人の割合は増え、逆に若い人は間違えていることが多いのです。例は少ないとはいえ、若者層での慣用表現の誤用が増えていると言えそうです。

(参考URL:http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h28_chosa_kekka.pdf

マナーとして知っておきたい、正しい敬語

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尊敬語、謙譲語を使い分ける

日本語において間違えやすいものとして、当の日本語ネイティブからも挙げられているのが敬語。では英語には敬語にあたる表現がないのかというと、そうではありません。「Can you open the window?」よりも「Could you open the window?」の方がより丁寧な依頼の仕方だったり、「May I open the window?」のように丁寧に許可を得る言い方もあったりと、英語にも助詞を添えることや持って回った言い方をすることで、より丁寧になるという表現が存在します。

対して日本の敬語は、「行く」が「伺う」や「いらっしゃる」になるなど、動詞自体がまったく変化してしまうものがあるのが難しい部分。色々な動詞に共通して使える助詞や表現がある英語と違って単純ではないところが、とっつきにくく感じる人が多い理由かもしれません。

敬語は使い慣れることが一番ですが、その前に相手を敬う言い方の尊敬語、へりくだった言い方をすることで相手を敬う謙譲語、物の言い方を丁寧にする丁寧語といった種類があることを、まず理解しておきましょう。

ビジネスでも気をつけたい、敬語あれこれ

ビジネスで取引先に会う機会が多い人は、敬語の使い方にも気を使いたいものです。普通のビジネス会話は丁寧語が基本ですが、これは基本的に語尾にです、ますをつければ大丈夫。ところが尊敬語と謙譲語は会話中でミックスして使われるので、ごっちゃになる人が多いのです。

まずは相手が何かをする際は「なさる」「れる」「ご~なる」などを語尾につけましょう。例としては、取引先の〇〇部長が「視察なさる」「足を運ばれる」「ご覧になる」といったようにです。「来る」=「いらっしゃる」もそうですが、「言う」=「おっしゃる」という語尾を変えるだけでは対処できないものもあるので、これらは覚えることが大切です。

自分と、例え社長でも自分の会社の社員が主語の場合には、謙譲語を使います。弊社社長が「視察に参る」「足を運ばせて頂く」「拝見する」といった具合です。謙譲語では「来る」=「参る」、「言う」は「申し上げる」となりますので、覚えておきましょう。

正しい日本語を使いこなすために、インプットを増やす

正しい日本語がインプットされないと正しい日本語のアウトプットもないので、日ごろから正しい日本語に触れられるよう、新聞などの校正や校閲がきちんとされたメディアに触れる機会を持ちましょう。