【広告担当必見!】薬機法(旧薬事法)の表現~代表的なOK&NG事例

薬事法の表現

化粧品、医薬部外品、健康食品(サプリメント)などの広告表現をするに際して、つくり手が避けて通れないのが薬機法(旧薬事法)。これに縛られ規定された表現しか許されないのですから、消費者への効果的なアピールがいかに難しいか。毎日頭を悩ませていることでしょう。

そうした担当者あるいはライターのあなた。“薬機法に負けない表現テクニック”を、一緒に学んでみませんか?

今回は、健康食品にターゲット。

Contents

1.グレーゾーンをいかに探すか~対薬機法の基本的な考え方

グレーゾーンをいかに見つけるか

薬機法が定めるルールの対象となるのは、以下の4カテゴリ。

  1. 医薬品
  2. 医薬部外品
  3. 化粧品
  4. 医療機器

この中には、いわゆる健康食品が入っていません。健康食品は、薬機法の規制対象外です。

“健康維持や増進のため”

ユーザーの立場とすれば、そういった目的で用いるのが健康食品。薬機法の守備範囲に入るものとイメージしても、致し方ないと思われます。

ところが、上記カテゴリ中には入っていない。なぜでしょうか?

健康食品は、あくまで食品でしかないからです。

特定保健用食品、トクホという言葉を耳にしたことがあると思います。これも厳密にいうなら食品であり、その範疇を出ないものです。

トクホとは、いわば特殊な健康食品。健康増進法第26条第1項で定められた「食生活における特定の保健の目的」に対する有効性や安全性の基準を満たし、許可を受けて販売されるもの。法律で許可された範囲内であれば、含まれる成分についての効果をうたい、広告でアピールすることが可能です。

対して、いわゆる健康食品と呼ばれるものは、トクホと異なり許可がないまま販売されています。このカテゴリに関しては、国家の基準や許可といった制約が分からない上に、これを規制する法律自体も存在しません。したがって健康食品のPRを行い薬機法に抵触するのは、

“医薬品と同等の効果、効能をうたった場合”

ただの食品でしかないのに、医薬品のフリをしている。医薬品モドキである。法的にはそういった考え方となりますから、効果や効能を表示すること自体が全面的に禁止されているのです。

本来規制する法律がないとしても医薬の世界に侵入してきた以上、薬機法を適用し裁かねばならない。他国で犯罪を起こしたら、日本人であってもその国の法律で裁かれる、そうしたケースと似ています。

トクホのケースでも、元々食品でしかないとの位置づけにより、ガイドラインで定められた範疇を超える誇大表現と見なされれば薬機法に抵触します。

むろん、化粧品も医薬部外品も、薬機法で定められた範囲外の表現を用いればアウトです。

  1. “法に触れてはダメ”
  2. “しかし、最大限の有用性をうたい”
  3. “同じく最大限のレスポンスを獲得する必要がある”

上記3つの目的を遂行するために、グレーゾーンを探しあてる。

これぞフリーライターや広告制作担当者が、該当商品をPRするために行う主な仕事の一つ。

過剰な文言を使いレスポンスを重視すると、一歩間違えれば違法となる。抑えが効きすぎれば反対に、まるっきり魅力のない毒にも薬にもならない広告となるケースもある。ちょうどいいさじ加減が難しい。責任重大かつ困難な任務です。

2.健康食品の広告表現~NGは効能効果のみでない!

サプリメントの画像

広告担当者やライターが、薬機法との兼ね合いで最も悩ませられる対象物こそ、サプリメントをはじめとする健康食品。と、言い切ったとしても、過言ではないでしょう。健康のために有用であることを伝えたいが、とにかく表現に関する制約が多い。効能効果に関して記載することが、ほぼ完全に不可能だからです。

ガイドラインとして機能するのが、昭和46年に厚生労働省より通知された「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(「46通知」)の別紙「医薬品の範囲に関する基準」です。これは厚労省基準とも呼ばれ、健康食品の広告表現に対する禁止事項として以下3つのカテゴリを提示しています。

  1. 疾病の治療又は予防を目的とする効能効果
  2. 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果(※ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない。)
  3. 医薬品的な効能効果の暗示

上記3つが示すのは、

「病気や症状を改善する、治療するための効能効果」

「増強、増進させる」

「医薬品的であること」

これらを彷彿とさせるなら、すべてNGと見なされるということ。

増強、増進すら違法となってしまうのです。

上記1~3に照らし合わせて代表的なNG表現を例示すると、以下のようになります。

2-1.【NG例】疾病の治療又は予防を目的とする効能効果

○○が治る。

○○が治った。

○○が消えた。

○○予防に効果。

○○を防ぐ。

○○で代謝アップ、やせる、やせやすい体に。

○○で毛が生える。

○○を改善。

○○を解消。

2-2.【NG例】身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果

※ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない。

○○力を高める。

○○増強。

○○増進。

○○強化。

○○促進。

○○が増す。

○○を盛んにする。

○○を美化。

○○で素敵なクビレ。

2-3.【NG例】医薬品的な効能効果の暗示

2-3-1.名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの

漢方、仙薬など医薬品を彷彿とさせる名称。

2-3-2.含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの

抗ガン作用が強いとされる○○を含む・・・。

高血圧を防止する○○を多量に含有し・・・。

2-3-3.製法の説明よりみて暗示するもの

特許取得の製法により有効成分を抽出し・・・。

有効成分○○のチカラを存分に発揮させるため非加熱処理で・・・。

2-3-4.起源、由来等の説明よりみて暗示するもの

マヤ文明の時代から中南米で伝統的に用いられた・・・。

古来中国では医者いらずの万能薬として重宝され・・・。

2-3-5.新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの

○○大名誉教授の研究によって糖尿病を劇的に改善する可能性が示され・・・。

「これを飲み始めてから、たった20日で10kgのダイエットに成功しました」と語る○○さん・・・。

3.OKあるいはグレーゾーンの表現とは?~精一杯の工夫を凝らして

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何度も言いますが、健康食品のケースでは、まず効能効果の説明ができません。また「予防」「治る」「症状が改善された」といった、確定的な表現の使用も病前病後にかかわらずアウトです。

健康食品は単なる食品ですから、そもそも病気を治せるはずがない。疾病予防に対処し治療可能と思わせる文言は、消費者の誤認を招いてしまうと法律的に解釈されます。

グレーゾーン内の許容される書き方、OKとなりやすい表現のサンプルはこちら。

【健康食品における薬機法のOK例】

食習慣を改善し、体調を維持する一助に。

中高年の健康維持。

足りない栄養を補う。

栄養補給に最適。

カロリーコントロールに。

偏食が気になるなら。

ビタミン、ミネラルを豊富に含む。

効率的なビタミン摂取。

ダイエットの補助に。

健康的なダイエットの実現に。

上記は、あくまで一例です。

OKとなるためのキーポイントは3つあります。

3-1.栄養補給、健康維持のみ推奨するライティング

「身体の組織機能の一般的増強、増進」に関する文言はアウトですが、ただし書きにあるように「栄養補給、健康維持等に関する表現」はOKです。

補う、補給、維持、保つ、守る。非常に微妙なラインですが、現状維持であり強化や治療、特定の病気の予防を意味しない、こういったボキャブラリーを使用するなら問題ないと考えられます。

3-2.成分自体の表記はマル

ビタミン、ミネラル、コンドロイチン、グルコサミン、マカ、プロテイン、アミノ酸といった含有成分。こういった成分を表記すること自体は問題とされません。

が、その効力について説明を加えるとNGと見なされます。たとえば、

”ビタミン、ミネラルを豊富に含む”

の言葉に続けて、こう書いたケース。

“○○から抽出したエキスが免疫力を活性化し、病気になりにくい体質をつくります”

この場合は単なる栄養補給を意味するコピーではなくなり、疾病予防の文言となるからです。

”栄養補給に最適”

の前に

“病中病後の”

と書いたケースでも、治療および病気回復に役立つニュアンスを持つ危険性があります。

詳しく書きすぎることで、違法となる。そうしたパターンが非常に多発していますので、むしろ端的に記す。工夫が必要です。

3-3.特定部位、特定の症状および疾病に限定しない

ガン、高血圧、糖尿病、肌荒れ、湿疹、便秘といった特定の疾病および症状。あるいは部分やせダイエット、脂肪燃焼、美肌、美顔など特定の身体的部位を指定した表現方法はNGです。

脂肪燃焼という書き方は一見するとOKと考えがちですが、脂肪それ自体が特定の身体器官と見なされます。この場合は仮に「全身の脂肪を燃焼させる」と書いてもアウトになると考えるのが正解です。また、燃焼という表現も、代謝をアップさせる効果があると誤認させてしまいます。

昭和60年の厚労省通知「痩身効果等を標ぼうするいわゆる健康食品の広告等について」によれば、ダイエットという語句自体は医療的行為と見なされず、用いても問題ありません。ゆえにこのケースでは、脂肪という言葉は完全に放棄。特定の部位、器官から離れて、表現を“ぼかす”べきです。

特定の疾病についても同じです。

含まれる成分自体の表記は許されますから、いかにぼかした表現でアピールするかが大事。

成分名は表記しても、商品や成分自体の効能効果は書かず、最後に、

“現在の健康を維持するためにお召し上がりください”

といった抽象的ニュアンスのみ記しておく。

多少曖昧でも、安全な表記法です。

4.NG事例のケーススタディ~行政の“規則性”をつかむべし!

薬機法のケーススタディー

ここからは、ケーススタディです。健康食品についての具体的なNG事例を表記し、どういった点が違反と見なされるかを述べます。キャッチコピー作成の際の参考に、あるいは行政(自治体)がどういった観点で違法、適法を決めるのか、その規則性をつかむ指標としてお使いください。

自治体ホームページにて“違反事例”としてあげられているものをサンプルとして先に例示し、その理由を述べる格好での解説です。違反部分を、赤字として表現しています。以下は、京都府ホームページ掲載『健康食品等の薬事法違反広告事例』の一部です。

4-1.ダイエット

ケース1:天然成分を凝縮した粒状の食品

(違反の記述)

燃焼系ダイエット○○(商品名)は、寝ている間に基礎代謝をアップ。2粒飲むだけで2週間後には驚きの結果が

(解説)

ダイエットという語句自体に違法性はありません。しかし、燃焼系との文言を加えると、その食品を摂取するだけで脂肪が燃えると消費者に誤解させます。基礎代謝アップも、食品がそうした効能を持っているとの誤解を招きます。効果が現れる時期について具体的に述べているのも、医薬品を彷彿とさせる誇大表現です。

ケース2:清涼飲料水

(違反の記述)

代謝を高め、排出を高めます。

(解説)

代謝、排出を高めるとの表現は薬効を思わせます。

ケース3:ダイエット用食品

(違反の記述)

医学博士が学会で発表して注目されている。カロリー摂取を抑えるだけでなく燃焼を加速させる。

(解説)

燃焼加速の文言は、明らかに効能効果への言及。

医学博士が学会へ発表との記述は、商品それ自体の権威付けが目的と考えられますが、これは「新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの」の禁止事項に該当します。また、医学博士が当該商品そのものを推奨しているかのごとく誤認させる書き方です。

4-2.美容・アンチエイジング

ケース1:烏骨鶏の卵黄成分を凝縮したカプセル状の食品

(違反の記述)

女性の肌の代謝を高める肌がつるつるになる。クスミが取れた肌がなめらかになる。

(解説)

NGのオンパレードです。肌という特定部位、しかも効果効能をハッキリと述べています。

ケース2:ローヤルゼリーを原料にした健康食品

(違反の記述)

本当につるつるに。顔色が明るく。キメが整った。スッピン状態がきれいに。2カップ大きくハリのあるバストに。

(解説)

キメが整ったとの文言が肌という特定部位を表現している上、薬効を感じさせます。2カップ大きく云々の部分も、特定部位のみ強調されている点が問題となります。

ケース3:大豆を原料又は含有する食品

(違反の記述)

アンチエイジングの女王。食べはじめて1ヶ月で、お肌の調子も良く、胸も大きくなったような気がします

(解説)

若返りを暗示するアンチエイジングとの表現は、健康食品においてはNGとなっています。以降のテキストは特定部位を表記。期間にも言及し、医薬品的な効能効果を標榜すると見なされます。

4-3.疾病の治療や予防に関する事例

ケース1:レモンを原料とした健康食品

(違反の記述)

シミ、肌荒れが消える。腸内をデトックス

(解説)

シミ、肌荒れは特定症状への言及です。デトックスには解毒の意味があり、医療用語となるため健康食品の広告表現には使用できません。

ケース2:植物の果実、果汁を含む飲料(果実が混合する健康飲料水)

(違反の記述)

中性脂肪が高いまま放置しておけば、血管のつまりから深刻な病気につながることも

(解説)

「当該商品を飲めば大丈夫」との暗示が、後半部分から感じられます。かなり凝った表現方法といえますが、NGです。

ケース3:果汁を主原料とする健康食品

(違反の記述)

食前に飲むだけ「毎朝快便」「肌ツルプル」

(解説)

後半部分で効能効果に言及しています。

また、食前との表記もよく考えれば不可思議です。健康食品は、あくまで食品です。その食前に摂取あるいは服用となると、明らかにおかしな表現。まるで医薬品の処方を彷彿とさせます。

医薬品の場合には用法・用量を守ることが重要ですが、健康食品のケースでも「過剰摂取や連用による健康被害が起きる危険性、その他合理的な理由があるものについては、むしろ積極的に摂取の時期、間隔、量等の摂取の際の目安を表示すべき」とされています。

しかし、前述したとおり健康食品は食品の範疇を出ないものです。

“「食前」「食後」「食間」など、通常の食品の摂取時期等とは考えられない”

こうした表現を用いるのも、消費者に医薬品と誤認させる目的と見なされますから、注意が必要です。

5.結びにかえて~便利ツールも活用しよう!

長々と述べてきましたが、薬事法改め薬機法。法律改正により名前は変わりましたが、相変わらず広告担当者やライターを悩ませる大敵である点に変化はないようです。

この文章を一読しても、応用のためのフレーズが思い浮かばない。どうしても判断がつかない、難しすぎる。そんな深い苦悩の淵に落ち込んでしまったなら、以下の便利ツールを使うのも一つの手です。

『薬事チェックツール やくじるし』

URL:http://yakujicheck.com/check/index

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また、弊社でも対策を講じられますので、お悩みの際にはご相談ください!