「オウンドメディアのコンテンツに何を作ればいいのかわからない」
「少ない予算で成果を出すコンテンツ作りのコツを知りたい」
このようなことでお悩みではないでしょうか。
オウンドメディアは、開設してから継続的にコンテンツを制作していくことが重要です。しかしやみくもに量産しても成果は出にくく、予算のムダ遣いにもなりかねません。
そこで本稿では、オウンドメディアを成功させるためのコンテンツ戦略を解説します。成功に導く3種類のコンテンツと具体例、また限られた予算の配分方法まで紹介していきます。
5分ほど時間を取って読んで頂ければ、戦略的にコンテンツ制作を進められるようになるでしょう。
オウンドメディアを成長させるコンテンツ戦略
オウンドメディアを成長させるためのコンテンツ戦略の基本は、制作するコンテンツひとつひとつに明確な「役割」を持たせることです。コンテンツの役割には、以下の3つがあります。
- コンバージョンコンテンツ
- ハウツーコンテンツ
- 被リンク獲得コンテンツ
次章から、それぞれどのような内容なのかを、「テレワークに関するツールを提供している企業のオウンドメディア」を例に挙げて詳しく解説していきます。
コンバージョンコンテンツ
コンバージョンコンテンツとは、その名のとおり、訪問ユーザー(見込み客)にコンバージョンしてもらうことを目的にしたコンテンツです。コンバージョンとは、ホームページを開設した際に目標として設定したアクションを、ユーザーが起こした状態を指します。たとえば資料請求やメールアドレス獲得、会員登録、サンプル請求などが例として挙げられます。
オウンドメディアにコンバージョンコンテンツがなければ、目標を実現できません。しかしこのようなコンテンツは、競合も力を入れてSEO対策や広告を使って集客しているのが一般的です。そのため集客の主流とするには、コストがかかってしまいがちです。
コストを抑えつつコンバージョンさせるには、次で紹介する「ハウツーコンテンツ」で集客し、コンバージョンコンテンツにユーザーを流すことを検討するといいでしょう。
具体的なコンテンツ例
コンバージョンコンテンツは、具体的なサービス・商品を探していることが想定されるキーワードでコンテンツを制作し、SEO対策を実施するのが有効です。テレワークに関するツールを提供している企業のオウンドメディアであれば、以下のようなキーワードでコンテンツを制作します。
「テレワーク ツール 比較」
「テレワーク ツール おすすめ」
「テレワーク 支援 ツール」
「テレワーク チャット」
コンテンツには自社商品やサービスの資料請求やお問い合わせフォームなどへの導線を引き、SEO対策を実施し集客します。
「自社製品・サービス紹介ページ」に対してのSEO施策も、確度の高い見込み客を集めるのに効果があります。ただし具体的な製品名やサービスについて検索するような、「すでに製品やサービスを認知している」ユーザーの数は限定的なのが一般的です。よほど知名度が高くない限りは、先ほど紹介したキーワードと比較して、検索ユーザーの母数が少なくなることは理解しておくといいでしょう。
ハウツーコンテンツ
ハウツーコンテンツとは、見込み客の課題解決につながるコンテンツを指します。コンバージョンコンテンツと異なり、直接お問い合わせや申し込みにつなげることは困難です。しかし見込み客の満足を引き出すことで、ブランドの認知や評価を高めることが可能です。
興味をさらに引き出せれば、次々とほかのコンテンツを読み込んでもらえます。そのためコンバージョンコンテンツへの導線を引いておけば、コンバージョンに至ることも期待できます。
具体的なコンテンツ例
ハウツーコンテンツでは、見込み客の悩みに寄り添ったキーワードでコンテンツを制作し、SEO対策を実施します。テレワークに関するツールを提供している企業のオウンドメディアの例でいえば、以下のようなキーワードが考えられます。
「テレワーク デメリット」
「テレワーク 人事 評価」
「在宅 勤務 営業」
コンバージョンコンテンツのキーワードと比較すると、ハウツーコンテンツではユーザーがまだ「解決策」が思い浮かんでいない状況にあることが読み取れます。ハウツーコンテンツでは、自社の商品やサービスがユーザーのどのような悩みを解決できるのかを考えて、キーワードを検討しましょう。
被リンク獲得コンテンツ
被リンク獲得コンテンツとは、話題性を高めることで、外部のメディアから言及・引用してもらうことを目的としたコンテンツを指します。
Googleは外部からの被リンク数を「人気投票」と解釈し、評価項目としています。また自社以外のサイトで言及・引用されることを「サイテーション」といいますが、サイテーションはリンクが貼られていなくても、被リンクのような効果があることが特徴です。そのため被リンクや外部からのポジティブな言及を獲得できるコンテンツの制作も、オウンドメディアに集客して成長させるためには欠かせません。
具体的なコンテンツ例
被リンクを獲得するためには、テレワークに関するツールを提供している企業のオウンドメディアであれば以下のような内容でコンテンツを制作します。
「テレワーク導入企業100社の実態調査」
「テレワーク中の会社員の満足度調査」
「テレワークツールのカオスマップ」
制作したコンテンツは、自社SNSで共有する、従業員にシェア・拡散してもらう、プレスリリースを打つなどの対策を実施し、被リンクやサイテーションの獲得を目指します。
オウンドメディア予算が限られている場合の、コンテンツ予算配分(優先度)
弊社では7年間で30以上のオウンドメディアを支援してきましたが、「予算が少ないのですがどう配分するのがベストでしょうか」という質問をよくいただきます。
少ない予算のなかコンテンツを戦略的に制作するには、業種にもよりますが、基本的には以下の配分を意識することをおすすめしています。
コンバージョンコンテンツ(1〜2):ハウツーコンテンツ(6〜7):被リンク獲得コンテンツ(2)
たとえばコンテンツをトータル30本制作するなら、コンバージョンコンテンツ6本、ハウツーコンテンツ18本、被リンク獲得コンテンツ6本といった具合です。
コンテンツのなかでも、検索流入を増やして自社のノウハウの高さを示すためには、検索ボリュームの多いハウツーコンテンツは欠かせません。しかし単体で上位表示させるのは難易度が高く、被リンク獲得コンテンツでサイトドメインの基礎パワーを向上させる必要があります。
そのうえで、オウンドメディアの目的であるコンバージョンを生むコンバージョンコンテンツに誘導します。コンバージョンさせたいと考えるとコンバージョンコンテンツのボリュームを増やしたくなりますが、セールス色が濃くなるとユーザーに警戒されるため、最小限に抑えることがポイントです。
オウンドメディア向けコンテンツ制作のコツ
オウンドメディアのコンテンツを制作する際には、ノウハウを出し惜しみしないことが成功のコツです。
ノウハウをすべて公開してしまうと、誰も依頼してくれなくなるのでは……と不安に思うかもしれません。しかし多くの企業はリソース不足に陥っているため、「プロに依頼したほうが安心」と考えているものです。
信頼に足るだけの知識を持ち合わせた企業かを見極めるためにコンテンツを参照するわけで、その際抽象的で中途半端なノウハウしか掲載されていなければ、高評価は得られません。フタを開けてみなければレベルがわからないような企業に依頼することは、自社に置き換えても考えられないことでしょう。
また無料で質の高い情報がたくさん得られる現代では、中途半端な内容のコンテンツではユーザーは満足せずに、むしろその企業に対してネガティブな印象を持つ可能性すらあります。コンテンツを制作するならノウハウは出し惜しみせず、ユーザーの信頼を獲得することを目指しましょう。
まとめ
オウンドメディアにおいて戦略的にコンテンツを制作するには、以下を意識することが成功のポイントです。
- コンテンツには「コンバージョン」「ハウツー」「被リンク獲得」の3つの役割がある
- 3つの配分は1(〜2):6(〜7):2を意識する
- ノウハウは出し惜しみしないことで信頼を獲得する
コンテンツはただ数を増やせばいいのではなく、どのような役割を与えるかを考えることが重要です。目標を達成したいからと、コンバージョンコンテンツばかり増やしても成果は出ません。集客の中心となるハウツーコンテンツを中心に、記事バランスを考えて、コンテンツを制作していきましょう。