SEOライティングを高いレベルで行うためには、プラットフォームであるGoogle検索についてよく知っておく必要があります。Google検索の仕組みは、Googleが丁寧に解説しているため、それらを読み込むことが大事です。
また良いコンテンツのアドバイスについても、Google公式ブログなどで紹介されています。しかし記事が分散している、項目が多いなどの理由から、「わかりにくい」「覚えられない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Googleが公開している情報を、要点をかいつまんで解説します。
まずGoogle検索の仕組みを理解しよう
Googleは、自らの使命を「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」と述べています。
Googleはその使命を果たすために、インターネット上に存在する無数のウェブページを、ロボットで収集しています。集めた情報をインデックスして取り出しやすく整理しておくことで、ユーザーが検索したときに、関連性が高く有益な情報を瞬時に見つけ出し、答えを提供する仕組みです。
私たちウェブマーケターやウェブライターはこの仕組みを理解し、以下についてよく考えたうえでコンテンツを作成する必要があります。
- 検索ユーザーはだれなのか
- どんな課題を持っているのか
- 読後にどうなっていたいのか
- それを叶えるためにどんなコンテンツをどんな形式で提供するのか
上記を常に考えることで、ユーザーにとって関連性の高い有益な情報を提供することが可能になります。
良質なコンテンツの定義はGoogleが解説している
Googleウェブマスターブログに公開されている「Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと」では、コンテンツを自己評価するためにチェックすべき項目を、質問として合計20個挙げています。Googleが求めるものを満たすことがSEOライティングの要件であり、高い評価を受けるコンテンツを作る手だてとなります。
さらにウェブマスター向けガイドラインでは、サイトを検索結果に表示させるためのHTMLマークアップやキーワード挿入といった、若干技術的な要素も解説しています。
両者を読み込みGoogleが求めることを理解することがSEOライティングでは重要ですが、項目が多く、またSEOに詳しくない人にとってはわかりにくい部分もあるでしょう。
そこで次章からは、これらGoogleの公開情報に基づいて、SEOライティングにおいてとくに重要と考えられる17点をピックアップして解説します。
SEOライティング17のチェックリスト【検索順位の向上を実現!】
SEOライティングで検索上位を目指すために知っておくべき要件を、17のチェックリストにまとめました。コンテンツを制作するときに、要件を満たしているかを確認するようにしてください。
1.他のサイトにはない価値を含んでいるか
Googleは、オリジナルコンテンツを高く評価すると明言しています。コンテンツに独自性があるかどうかは、検索順位に大きく影響するため、一次情報を盛り込んだ自分だけのオリジナル要素をコンテンツに落とし込んでいくことが重要です。
ほかの情報源から得られたものを元にコンテンツを制作するときには、単なるコピーや置き換えではなく、オリジナルの情報や付加価値を十分に与える必要があります。
これはGoogleがユーザーファーストを意識していることに大きく由来します。重複した内容のコンテンツが検索結果に並ぶことは、ユーザーの利便性を損なうためGoogleは好みません。ユーザーが「この記事を読んだ価値があった」と思える独自の内容が含まれているか、チェックするようにしてください。
2.ユーザーインサイトを満たす情報を深く提供できているか
ユーザーが検索したキーワードから、ユーザー本人すらも気づいていない隠れた欲求を読み取り、ニーズを満たすコンテンツになっているかを確認しましょう。
たとえば「沖縄 10月 気温」で検索をかけているユーザーは、「沖縄の10月の気温を知りたい」ということが、表面上の理由です。しかしユーザーが沖縄の10月の気温を調べたくなったのは、おそらく10月に沖縄に旅行したいなと考えているのではないかと想像できます。
となるとコンテンツには沖縄の10月の平均気温だけではなく、10月でも海に入れるのか、10月に楽しめるアクティビティーはどんなものがあるのか、10月に大きなお祭りはあるのか?といったことを含めるとよさそうです。そうすればユーザーの「そうそう、それも知りたかったんだよね!」という深いニーズを満たした記事になるでしょう。
ユーザーの潜んだニーズを読み取り、「期待値以上」の情報を提供するSEOライティングをすることで、ユーザーだけではなく、Googleからも高く評価されるのです。
3.タイトルや見出しは内容をあらわすものとして適切か
コンテンツのタイトルや見出しが、内容を適切に表しているかも重要なチェック項目です。Googleでも、公式ブログで以下のように問いかけています。
・見出しやページタイトルは、内容を説明する有用なものになっているか?
・見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張したり、読者に強いショックや不快感を与えたりするものでないか?
タイトルはGoogleの検索結果に表示され、ユーザーがクリックするかどうかを決める大切な項目です。また記事の見出しも目次に一覧表示されるため、その記事が読むに値するのかを判断する重要な材料になります。
タイトルや見出しに誇張や過激な表現、内容とは関係ない表現を使うことでユーザーを誘い込もうとすることは、Googleのユーザーファーストの理念に則しません。Googleの評価が低くなるうえ、ユーザーが流入したとしても直帰してしまう可能性が高いでしょう。
4.誰かに教えたくなるような、引用したくなるような価値があるか
コンテンツが、誰かに教えたくなるような内容であったり、引用したくなったりするようなものになっていれば、ユーザーから高い評価を得られます。
人間は、「共感したことや感動したことを人と共有したい」という感情を持っています。コンテンツの中身そのものだけではなく、その時に感じた気持ちを共有したいと思うのです。そのように「人に行動を起こさせる」ほど優れたコンテンツであれば、自然に社内SNSを含むSNSなどで共有されていくでしょう。
Googleが評価項目としている「ほかのサイトからの被リンク」も獲得しやすくなり、結果的に検索順位の向上が期待できます。
5.専門家または、充分な知識を持つ人物によって書かれた情報か
Googleはコンテンツの専門性に関する質問で、以下のように問うています。
・コンテンツは、トピックに関して明らかに充分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれているか?
Googleでは、検索品質評価ガイドラインの中で「E-A-T」と呼ばれる評価項目を設けていて、そのうちの「E」はExpertise、つまり専門性を意味しています。これは文字通りコンテンツが専門家、あるいは業界に精通したライターが書いていることを意味してます。
クラウドソーシングで見つけたライターや、主婦のお小遣い稼ぎ程度の気持ちで作られた記事では、専門性も信頼性も担保できません。専門知識を有する人材を見つける、もしくはライターのプロフィールを掲載するなどして、客観的に評価を受けられるようにすることが大切です。
6.家族や友人など大事な人に自信を持って見せられる内容か
Googleでは、YMYL(Your Money or Your Life)、つまりお金や健康など、その人の人生を左右するような問題に関しては、とくに専門性や信頼性の確保が重要としています。2017年には「医療・健康アップデート」を行い、医学的根拠のない情報の検索順位を下げるアップデートを実施したほどです。
YMYLに関する記事を自己評価するときには、制作した記事を家族や友人など、自身の大切な人に自信を持って見せられる内容かどうかを指針とすると良いでしょう。
7.1本のコンテンツに充分な時間をかけて制作しているか
コンテンツの数が多いサイトや文字数が多い記事が高く評価されていた頃もありますが、Googleは現在、一貫してユーザーファーストに基づいた記事品質を重視する姿勢を貫いています。
そのため1本のコンテンツに対し、十分な時間をかけ、クオリティを高める努力が求められます。記事に誤字脱字が多い、安価に外注して記事を大量生産している、またはお小遣い稼ぎで片手間に書いたような記事は、上位表示しないばかりかネガティブな口コミが広がってしまうかもしれません。
あの会社が公開している情報は質が低いとユーザーに思われた場合、サービスレベルも同様に低いとみなされる可能性があります。コンテンツはしっかり予算と時間をかけて制作し、高いクオリティを保つようにしてください。
8.ユーザビリティに問題がないか
ユーザーファーストを考えた場合、ユーザビリティに問題がないかの視点からコンテンツをチェックすることも必要です。
たとえばユーザーにクリックしてもらおうと広告を大量に配置しているようなページは、ユーザーが見たいコンテンツにすぐにたどりつけません。自社の過剰な宣伝をしている記事も、「知りたい情報とは違う」と離脱されてしまう可能性が高くなります。
誤った情報や古い情報を掲載していれば、ユーザーに混乱を与えます。また多くのひとがスマホで検索するようになった今、モバイル端末での読みやすさや、ページの表示速度についても問題がないかは十分な確認が必要です。
コンテンツの内容が、ユーザーが読みたいと思うものであることはもちろん、読みやすい、直感で操作しやすい環境を整えることにも注意を払うようにしてください。
9.上位表示している他のコンテンツと比較して、充分な価値があるか
客観的に自社のコンテンツと他社のコンテンツを比較して、「自社のコンテンツを読みたい」と思える内容になっているかも厳しい目でチェックしましょう。
上位表示している他社のコンテンツを検証して、記事を制作すること自体は珍しくはありません。上位に表示されているということは、それだけGoogleから評価されている表れでもあるためです。
しかしユーザーのニーズを満たすために上位記事を参考にすることと、Googleに高評価を受けるために模倣するのとは意味が違います。模倣しただけであれば、同じ程度の順位を取ることはできるかもしれませんが、それ以上は狙えません。リライト合戦に突入し、同じような内容の記事が並び、ユーザーから評価されることもないでしょう。
コンテンツは、検索エンジンから評価されることだけを考えて作成しては価値がありません。検索エンジンのためではなく、ユーザーのためにコンテンツを作成するようにしてください。
10.代名詞はなるべく使わない
ウェブページを収集し、何が書かれているのかを理解するGoogleのロボットは、人間が文章を読んで理解するように内容を把握できているわけではありません。
「これ」や「あれ」などの代名詞は、言葉の繰り返しを避けて文章をわかりやすくする効果がありますが、残念ながらGoogleは何を指しているのか理解できないのです。そのためSEOライティングにおいては、代名詞はなるべく使わないようにする必要があります。
また多くのユーザーは記事を斜め読みするため、代名詞を使わないことは読み手の理解負担を軽減することにもつながります。不自然にならない程度に、代名詞の使用は避けるようにしましょう。
11.タイトルのなるべく先頭にキーワードを含める
タイトルには、検索上位をねらうキーワードを含めることが大切です。タイトルタグは、ユーザーと検索エンジンの両方に対してページの内容を伝えるものであるため、キーワードが含まれていなければ、どんな内容の記事なのかを把握できません。
Googleのロボットは、タイトルタグや次で紹介する見だしタグの前方に含まれている言葉ほど、コンテンツと関連性が高いと判断する傾向があります。またユーザーが検索結果を見るときも、ページの左上から下にむけて、タイトルを中心に斜め読みしてクリックする記事を探す傾向があります。ユーザーの目に留まりやすくするためにも、キーワードはタイトルのできるだけ前方に含めることがSEOライティングでは重要です。
12.見出しにもキーワードを含める
見出しタグについても、前述したタイトルと同様、検索結果で上位表示したいキーワードをできるだけ含めるようにしましょう。
見出しはGoogleのロボットにコンテンツの階層構造を明らかにすると同時に、ユーザーがドキュメント内を移動するのに役立ちます。ユーザーはコンテンツのすべてに目を通すとは限りません。見だしから興味をひく部分だけ、拾い読みすることも多いものです。
かといって読んで不自然になるほどのキーワードの挿入は、読み手だけではなくGoogleからもマイナス評価されます。見出しには無理のない自然な範囲で、キーワードを含めるようにしてください。ねらったキーワードそのものではなく、共起語を含めるのも効果的です。
13.画像のaltタグには適切な記述をおこなう
最近ではGoogleの画像解析技術の向上により精度は上がってきてはいますが、まだ人間のように画像情報を理解するには至っていません。そのため画像には、Googleのロボットにどんな内容の画像なのかを伝えるaltタグをつけるようにしてください。
例:<img src=”puppy.jpg” alt=”寝ている子犬”>
altタグで設定したテキストは、画像が表示できない場合に代替テキストとして表示され、ユーザーの利便性にもつながります。そのため単に「子犬」とするよりも、「寝ている子犬」と具体的にイメージがつく内容にするのが適切です。
また画像ファイル名とaltテキストを最適化しておくと、Google画像検索などで適切に表示されるようになり流入が見込めることもポイントです。
なお画像にリンクを設置する場合には、リンク先のキーワードをalt属性に含めると、SEOに効果があります。Googleはalt属性をアンカーテキストと同じように扱い、リンク先のページ内容を理解する助けにするためです。
たとえばリンク先のページが「コンテンツマーケティングの始め方」であるなら、alt属性に入れるテキストも同じものにすることで、サイトの内部リンク強化につながります。
14.適切なHTMLマークアップをおこなう
コンテンツが何を表しているのかを検索エンジンに正しく伝えるために使われるのが、HTMLです。HTMLを適切に記述すれば、コンテンツの持つ本来の意味をGoogleに伝えやすくなるので、正しくマークアップすることはSEOライティングではとても重要です。そのため以下のような基本タグは、適切に使用するようにしてください。
・見出しタグ(<h1>〜<h6>)
見出しタグは、ページのセクションを6段階まで階層化するときに使用します。見出しのレベルをスキップしたり、<h4>のあとに<h3>を持ってくるなどは避けましょう。
・箇条書きタグ(<ol><li>)
項目を箇条書きにするときに使用します。検索エンジンに改行ではなく箇条書きであることを伝えるとともに、ユーザーもリスト化された部分は理解しやすく自然と目が行きます。
・引用タグ(<blockquote>)
Googleはコピーコンテンツを厳しくチェックしますが、引用タグを使用することで、コピーコンテンツではないと認識してもらえます。
・テーブルタグ(<table>)
表の作成はdivタグとCSSでレイアウトすることも可能です。しかしGoogle検索結果の最上部に表示される強調スニペットで表組み表示してもらうには、テーブルタグを使って「表」であることをGoogleに認識してもらう必要があります。表組みはテーブルタグを使用するようにしてください。
・altタグ(<alt>)
前述したとおり、Googleに画像がなんの画像かを理解してもらうためにはaltタグで適切なテキストを記載する必要があります。画像検索の結果に表示させるためにも、必ず設定するようにしましょう。
15.見出し直下の文章書きはじめは、結論から始める
見だし直下の文章は、重要なことが書かれているとしてGoogleが重要視するパートです。これは日本では結論を最後に持ってくることが多いのに対し、欧米では結論から先に伝えることに由来します。そのためSEOライティングをするときには、見だし直下にはできるだけ見出しと関連するキーワードを入れ、結論から書くようにしましょう。
文章構造をPREP(Point=結論,Reason=理由,Example=たとえ,Point=結論)にすると、自然と最初に結論から始めることができます。最初になにについて書いてあるのかを述べることは、ユーザーがコンテンツを理解するのにも役立ちます。
16.共起語を意識してコンテンツを書く
共起語とは、ある用語を説明する際に、セットで使われる傾向が高いワードのことです。たとえば「SEO対策」であれば、
SEO 対策 費用 サイト 検索 ホームページ キーワード コンサルティング サービス 制作 コンテンツ 会社 表示 Google リンク 上位 場合 ページ 報酬 集客 料金 結果 順位 施策 内部
などが共起語となります。
Googleのロボットは、人間と同じように文章を理解することはできません。キーワードと同時に使われることが多いワードを手がかりとして、コンテンツの内容を理解しようとしています。
SEOライティングでのポイントは、上位表示されているページに含まれている共起語を、コンテンツに含ませることです。それは上位にあるページは対象キーワードに対してGoogleから評価されていて、情報網羅性や専門性に優れていると考えられるためです。結果としてユーザーのニーズも満たすことになり、Googleにも評価されるようになります。
共起語は、上位記事から共起語を抽出するようなチェックツールを利用すると簡単に洗い出しが可能です。
17.記事内容を示すパーマリンクを設定
記事を書き終えたら、URLに記事内容を示すパーマリンクを設定するようにしましょう。
Googleは、検索セントラルにてパーマリンクについて以下のように述べています。
右ページより引用”サイトの URL 構造はできる限りシンプルにします。論理的かつ人間が理解できる方法で(可能な場合は ID ではなく意味のある単語を使用して)URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。
たとえば「sample.com/398」といったURLからは、コンテンツの内容が推察できません。URLを「sample.com/seo-writing」とすることで、このURLの記事はSEOライティングについて書かれていることがわかります。
WordPressで記事を作成している場合、初期設定では数字や日付、日本語のタイトルがエンコードされたものなどが自動生成されるようになっているため注意しましょう。ユーザーだけではなく、Googleのロボットもサイト構造やページ内容を認識しづらくなるので、パーマリンクの設定は重要です。
まとめ;SEOライティング17のチェックリストをおさらい
ここでいま一度、SEOライティングのチェックリストをおさらいしておきましょう。
- 他のサイトにはない価値を含んでいるか
- ユーザーインサイトを満たす情報を深く提供できているか
- タイトルや見出しは内容をあらわすものとして適切か
- 誰かに教えたくなるような、引用したくなるような価値があるか
- 専門家または、充分な知識を持つ人物によって書かれた情報か
- 家族や友人など大事な人に自信を持って見せられる内容か
- 1本のコンテンツに充分な時間をかけて制作しているか
- ユーザビリティに問題がないか
- 上位表示している他のコンテンツと比較して、充分な価値があるか
- 代名詞はなるべく使わない
- タイトルのなるべく先頭にキーワードを含める
- 見出しにもキーワードを含める
- 画像のaltタグには適切な記述をおこなう
- 適切なHTMLマークアップをおこなう
- 見出し直下の文章書きはじめは、結論から始める
- 共起語を意識してコンテンツを書く
- 記事内容を示すパーマリンクを設定
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