「コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いは?」
「それぞれの使う場面を詳しく知りたい」
このようにお考えではありませんか?
コンテンツマーケティングとオウンドメディアは同じ文脈で使われることが多いため、混乱している方も多いでしょう。しかし、両者の違いをはっきりさせておかないと、社内・社外とのコミュニケーションの支障となってしまいます。同じ定義のもと施策を進めないと勘違いを生み、正しいアクションを起こせません。
この記事では、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いをわかりやすく解説します。
5分程度時間をとって読んでいただくことで、目的に応じた使い分けができるようになり、マーケティング施策を正しく進めることにつなげることができます。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違い
コンテンツマーケティングは、図からも分かるように、オウンドメディアを内包する関係にあります。
「コンテンツマーケティング=オウンドメディア」と理解している人が多くいますが、オウンドメディアは、コンテンツマーケティングを実現する手法のひとつにすぎません。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアとは、それぞれどのようなものなのか、違いを見ていきましょう。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、主に見込み客が悩んでいることや興味をひくことをコンテンツにして公開することで、自社の認知を拡大し、購買意欲を育成することを目的としたマーケティング戦略のひとつです。
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングを実施するための手法のひとつにすぎないのですが、コンテンツを配信する媒体の中心となることが多いことから、両者をイコールと捉える人が少なくありません。
しかし実際には、オウンドメディア以外にも、ソーシャルメディアやWEB広告など、さまざまな媒体を活用し、見込み客にコンテンツを配信するのがコンテンツマーケティングなのです。
オウンドメディアとは
オウンド(owned)が「所有する」ことを意味するとおり、オウンドメディアとはブログメディアやコーポレートサイト、メルマガ、各種営業資料やノウハウブックなど、自社が所有しているすべてのメディアを指します。
ただし、デジタルマーケティングの領域においては、オウンドメディア=ブログメディアとすることが一般的です。
オウンドメディアは自社が所有している媒体であるため、コントロールしやすいことが特徴です。そのためコンテンツマーケティングにおいて、中心的存在になりやすい傾向があり、コンテンツマーケティング=オウンドメディアと誤認される原因になっています。
コンテンツマーケティングやオウンドメディアが重要な理由
企業活動において、コンテンツマーケティングやオウンドメディアの重要性は高まるばかりですが、それには理由があります。
通信速度の高速化・安定化が進み、スマートフォンが普及したことにより、インターネットは急速に人々に浸透しました。誰でもほしい情報が、自らの意思で選び取れるようになった今、飛び込みや電話による営業、FAXDMなどの、アウトバンド型の営業やPR手法を嫌う人が増えています。
人々の情報収集のプロセスが変化したことにより、「見込み客が欲しいタイミングで」「悩んでいることを」「適切な媒体にコンテンツとして配置する」コンテンツマーケティングが、今の時代にあったマーケティング戦略として注目を集めるようになったのです。
コロナ禍により、人々の情報収集の方法はより一層オンライン化が進みました。コロナ禍が終焉を迎えても、人々の生活様式がコロナ以前のように戻ることはないと考えられています。見込み客が必要とする情報を、オンラインで提供するコンテンツマーケティングに取り組まなければ、自社の商品やサービスの存在を知ってもらうことすらできなくなるかもしれません。
今やマーケティング戦略として欠かせなくなったコンテンツマーケティングを、効果的に実践するための有効な手法のひとつとして、オウンドメディアがあるのです。
コンテンツマーケティングの成功にはトリプルメディアを活用しよう
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングを実践する手法のひとつでしかないことが理解できたでしょう。
コンテンツマーケティングを成功させるには、オウンドメディアを含む「トリプルメディア」を効果的に活用するのが有効です。トリプルメディアとは、
- オウンドメディア
- アーンドメディア
- ペイドメディア
の3つをまとめた概念のことです。
ここからは、アーンドメディアとペイドメディアについて、コンテンツマーケティングにおいて果たす役割を含めて解説します。
アーンドメディアとは
アーンドメディアとは、上図のように、主にソーシャルメディアを指す概念です。アーンドメディアのアーンド(earned)とは、「獲得する」ことを意味し、見込み客の信頼や評判を獲得するためのメディアという意味になります。
アーンドメディアは、アカウントをフォローしてもらい双方向のコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築くこと、つまりファンの形成を得意とする媒体です。アーンドメディアはその拡散力を活かし、オウンドメディアが苦手とするコンテンツの「拡散者」としての役割も果たします。
ペイドメディアとは
ペイドメディアとは、費用を対価として支払う(ペイド=paid)することで、自社の露出を買うことができる媒体です。テレビCMや雑誌・新聞・ラジオなどのマス広告、リスティングやバナーなどのWEB広告、看板広告などの広告媒体が該当します。
オウンドメディアとアーンドメディアは成果が出るのに時間がかかり、また接触できる相手にも限りがあるため、爆発的なスケール(成長)は望めません。不特定多数にアプローチできるうえ、短期的に効果が出るペイドメディアを、コンテンツへの「仲介者」とすることで、オウンドメディアをスケールさせることが可能になります。
ペイドメディアで獲得したユーザーを、アーンドメディアでファン化し、オウンドメディアと行き来してもらうことで、自社への興味関心を深めていってもらうのが、コンテンツマーケティングの理想的な姿です。
コンテンツマーケティングの効果が出るまでの期間
企業のマーケティング戦略の中でも重要とされるコンテンツマーケティングですが、効果が出るまで長い期間を要することが特徴です。実際のところ、数カ月で効果がでるものではなく、年単位で計画を立てる必要があります。
コンテンツマーケティングは、「見込み客が欲しいタイミングで」「悩んでいることを」「適切な媒体にコンテンツとして配置する」ことで、自社への認知を得て、興味関心の度合いを強めてもらう手法だと述べました。
ユーザーに主体的に「見つけてもらう」インバウンド型の手法であるため、一朝一夕に多くの見込み客を獲得できるものではないことは、容易に想像できるのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングを実践するには、継続的なコンテンツの制作体制や、時代の変化にともなうユーザーのニーズの変化を細やかに捉えていく必要があります。
オウンドメディアでの情報発信を主体としつつ、アーンドメディアやペイドメディアをバランスよく活用することで、より効果的なコンテンツマーケティングの実践が可能になるでしょう。
まとめ
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いや、オウンドメディアが果たす役割などについて見てきました。
- オウンドメディアはコンテンツマーケティングを実践する手法のひとつ
- コンテンツマーケティングは、今の時代にあったマーケティング戦略
- コンテンツマーケティングの成功には、オウンドメディアを含むトリプルメディアの活用が欠かせない
コンテンツマーケティングは、見込み客の情報収集の手段がオンラインへとシフトした今、企業活動をしていくうえで避けては通れなくなりました。しかしコンテンツマーケティングは、成果が出るには時間がかかるため、年単位で計画を立て、腰を据えて取り組む必要があります。
導入が遅れるほど成果が出るのも遅くなるため、できるだけ早くスタートするようにしましょう。