インターネットの発達とともに消費者の購買行動の中心がオンラインに移行し、企業活動をしていくうえで、コンテンツマーケティングはもはや欠かせない施策となりました。しかしコンテンツマーケティングを導入したいと考えてはいるものの、内製するか外注するか決めかねて、二の足を踏んでいる企業も多いようです。
そこで今回は、コンテンツマーケティングを外注するメリットとデメリットを、注意点とあわせて解説します。メリットとデメリットの両方を知ったうえで、自社にとってどちらがいいのかを、しっかりと見極めるようにしてください。
【重要】コンテンツマーケティング運用における注意点
まずはコンテンツマーケティングを運用するにあたり、知っておくべき注意点を2つお伝えしておきます。
コンテンツマーケティングは中長期の施策と理解する
コンテンツマーケティングは、顧客のニーズにあう優良なコンテンツを自社サイトなどに用意して、「見つけてもらう」インバウンド型の施策です。そのためにはGoogleやYahoo!などの検索エンジンに評価され上位表示される必要があります。コンテンツがインデックスされ、上位に上がってくるまでには早くても3カ月から半年は必要です。
時間はかかりますが、コンテンツマーケティングではコンテンツが資産として積み上がっていき、いったん集客が始まれば、継続的にリード(見込み客)の獲得が見込めます。即効性はあるものの、出稿を止めればインターネット上から消え、集客が止まってしまうWeb広告とは反対に、短期での成果は見込めませんが、中長期で見ると投資対効果はかなりいいといえます。
コンテンツマーケティングが中長期の施策であることを理解せずに始めると、「数カ月取り組んだが成果が出なかった」と早々にあきらめることになってしまう点には注意が必要です。
マーケティングの主軸としてできるだけ早くスタートする
インターネットの発達にともない、BtoB、BtoC問わず、見込み客の購買行動の中心はオンラインに移行しました。インターネットが普及する前は、消費者が情報を入手するのはテレビCMや新聞、雑誌などの「マス広告」が大きな役割を担っていました。広告を見た消費者が、実際に店頭へ出向いて商品を手に取り購入する、というのが購買行動の流れだったのです。
しかし今では、消費者がなにかモノを購入するときには、インターネット上で商品やサービスを探し、比較・検討したうえで購入にまで至ることは当たり前になっています。それにともない、望まないタイミングで広告を見せられるアウトバウンド型のセールス手法は、自分の意志で情報を集められるようになった消費者には嫌われるようになりました。
一方コンテンツマーケティングは、見込み客の課題解決につながるコンテンツを配置することで流入を待つ、インバウンド型の手法です。顧客が好きなタイミングで、必要な情報を選択してアクセスできるコンテンツマーケティングは、今の消費者心理や消費行動にマッチしています。
そういった点からも、コンテンツマーケティングはあらゆる業界において主軸とすべきマーケティング手法になったといえます。コンテンツマーケティングは成果が出るのに時間がかかる施策であることを考えると、競合に先んじるために、もしくは遅れをとらないためにも、少しでも早く始めることが大切です。
コンテンツマーケティングは外注すべきか?メリット・デメリットを解説
いまやマーケティング施策の中心となったコンテンツマーケティングですが、コンテンツを自社で内製するか、外注すべきか迷う企業も多いようです。
内製と外注のどちらがいいかは、それぞれの事情によるので一概にはいえません。外注のメリット・デメリットを知ったうえで、先ほど解説した、「中長期でみる」「競合企業に取り残されないようにする」の2つの観点から、自社にとってベターな選択をするようにしましょう。
コンテンツマーケティングを外注するメリット
まずはコンテンツマーケティングを外注するメリットを4つ紹介します。
外部の専門的な知見を得られる
コンテンツマーケティングは、とにかくコンテンツを増やせばいいといった単純なものではありません。認知獲得から比較検討、購入、そしてファン化までの各ステージにおいて、適切なタイミングで適切なコンテンツを用意するために、一定の知識とノウハウが必要です。逆にいえば、知識が不足した社員が手探りで取り組んだ場合には、踏む必要のない失敗をするなど遠回りしてしまう可能性が高くなります。
コンテンツマーケティングを外注した場合には、専門的な知見を得られるため、目標に向かって最短で進めることが可能です。定例会議にすすんで参加し、適切な意見やアドバイスをしてくれる外注先を選定することがポイントです。
社内の人的リソースを最低限に抑えられる
コンテンツマーケティングをすべて自社で完結させるのであれば、規模にもよりますが、ディレクターや編集者、ライターまで含めるとある程度の人数が必要になります。
しかし成果が出るまで時間がかかるコンテンツマーケティングに、最初からアクセル全開で取り組める企業はそう多くはありません。最初のうちは社員1〜3人ぐらいのチームでスモールスタートさせ、様子を見たいと考えるのではないでしょうか。
かといって一定量のコンテンツがそろわないことには、コンテンツマーケティングは機能しません。社内の人的リソースを抑えつつ、コンテンツマーケティングをスムーズにスタートダッシュさせたいのであれば、戦略も含めたノウハウのある外注に依頼するといいでしょう。
すべてを社内でまかなうより安く済む場合も
従業員ひとりの雇用維持に、社会保険など含め50万円かかっているとした場合、3人のチームでコンテンツマーケティングに取り組むと、毎月150万円のコストがかかることになります。
それであれば、1人に減らして外注費に毎月30万を使ったほうが安く進められます。外注することによってプロの知見が得られるうえ、結果がでる時間を短縮できることも期待できます。トータルコストを抑えたい場合には、外注を検討するのがおすすめです。
事業継続計画(BCP)の観点からも良い
近年台風や地震、豪雨などの大型自然災害や、新型コロナ感染症の流行など、まったく予測のつかない事態が相次いで発生しています。企業においては、ほかにも担当者の病や退職など、事業を継続させるにあたってあらゆるリスク対策を講じておく必要があるでしょう。
コンテンツマーケティングを実施するための人材を自社で雇用してしまった場合、人件費が固定費化してしまいます。しかし外注であれば変動費となるため、不測の事態にコスト管理をしやすくなります。
コンテンツマーケティングは、中長期で継続的に行うことで成果が出る施策です。外注を活用すれば、どんな状況になったとしても、途切れることなく継続が可能です。
コンテンツマーケティングを外注するデメリット
続けて、コンテンツマーケティングを外注するデメリットを2つ紹介します。前章で紹介したメリットとあわせ、自社にとって内製と外注のどちらがいいかを考えるようにしてください。
ノウハウが社内に蓄積しない
コンテンツマーケティングを外注する一つ目のデメリットは、ノウハウが社内に蓄積しないことです。
プロの手にかかることで、目標に向かって最短距離で進み、成果が出始めた場合でも、コンテンツがコンバージョンを生むようになった理由やメルマガが多くの反応を得る理由が自社では把握できません。ノウハウが蓄積しないので自社での再現性がなく、PDCAを回せないこともデメリットです。
このような問題は、外注先にすべてを任せっきりにしてしまうことが原因であるケースがほとんどです。コンテンツマーケティングを外注に依頼するときでも、定例会議に参加してもらう、定期的にコミュニケーションを取るなどし、丸投げすることなく二人三脚で進めていけば、問題は回避できるでしょう。
専門知識を要する業界はスピードダウンする
自社が高い専門知識を要する業界であるなら、外注した場合でも、想定した期間で成果が出ない可能性が高くなります。外注先は、すべての業界に精通しているわけではないので、コンテンツを制作するために専門知識を習得する必要があり、時間を要するためです。
また場合によっては外注先が、専門知識を持つ、適した人材をそろえることもあります。そのようなケースでは、料金が上乗せされることが一般的であるため、想定していたよりもコストがかかることも考えられます。
コンテンツマーケティングの業務にはどんなものがある?
コンテンツマーケティングとひと言でいっても、以下のようないろいろな業務があります。
- 戦略設計/運用
- オウンドメディア構築
- コンテンツ制作
- SNS運用
- メルマガ運営
外注を検討するときには、どの部分を自社で行い、どれを外注するかをしっかりと見極めることが大切です。毎月の予算とあわせ、自分たちですることとしないことを決めて業者を選びましょう。
それぞれの外注費の目安は、以下の記事で解説していますので、目を通してみてください。
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まとめ
コロナ禍のもと、消費者の購買行動はますますオンラインにシフトしています。企業のマーケティング活動の主軸は、コンテンツマーケティングとなったといっても過言ではありません。
これからコンテンツマーケティングに取り組む場合には、以下の3つを押さえたうえで、内製するか外注するかを決めましょう。
- コンテンツマーケティングは中長期の施策なのでできるだけ早くスタートする
- 内製か外注化は、外注するメリット・デメリットから自社にとってベターなほうを選ぶ
- 予算や自社でできること・できないことを見極めてから外注先を選ぶ
成果が出始めるのに時間がかかるコンテンツマーケティングは、競合よりスタートが遅くなればなるほど追いつくことが難しくなります。競合がまだスタートしていないなら先んじて、もし出遅れているならこれ以上引き離されないように、できるだけ早く始めることをおすすめします。