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【必見】行動心理学とマーケティングの関係―すぐに使える27のテクニック

本記事で紹介するのは、いわゆる「行動心理学」のテクニックだ。人の判断に影響を与える、ヒトの脳の動きや、それらが彼らの行動に影響を及ぼすプロセスを詳細に追ってみたい。

これらは何も、WEBを利用したマーケティングに限らず、日頃の説得活動―営業であったり、職場や家族の問題の解決で合ったり―の中でも活用できるものであるから、頭の隅っこにでも入れておいて欲しいテクニック。

以下を読んで頂ければ「行動心理学、侮りがたし」と思って頂けることは請け合いだ。

では、実際にマーケティングの分野で活用されている各種テクニックをひも解いてゆくこととする。



即実践!マーケティングで有効な行動心理学27選

マーケティング行動心理学

1.カクテルパーティー効果

パーティやコンサートのように音であふれかえっている場所でも、自分の名前を聞き分けたり、自分の好きなメロディ部分だけをピックアップして音楽を堪能した経験は誰にでもあるはずだ。

このように、「多くの情報の中から自分に都合の良い(興味のある部分)だけを聞き分ける・見分ける」という脳の働きを、カクテルパーティー効果と呼ぶ。これは、取り扱う商品選別の時点である程度確定しておく必要がある。

例えば、「50代男性、比較的経済的余裕のある人向けの商品」「男女問わずシニア層向けの商品」のように、具体的にターゲットを絞っておくのだ。それにより、見出しや本文も書きやすくなる上に、販売ポリシーのようなものが明確になる。

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2.テンション・リダクション効果

特に高価な商品を購入すると決断させた際に効果的なのが、この「テンション・リダクション効果」だ。

自分自身にとってちょっと頑張った(日頃なら我慢してしまうけれど今回は手を出してしまった)と思う時は、それなりの緊張感が伴う。大手通販サイトではこのテンション・リダクション効果を利用し、「これを購入した人はこのような商品も購入しています」のように、カート確認画面におすすめ商品を表示してある。思い切った買い物をしようとする時に、このようにあと一押しをされれば、購入しようとする商品に関連したものを「ついで買い」してしまうことは良く知られることだ。高価な買い物をした時の気の緩みを利用する手法なのだ。

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3.スノッブ効果

これも比較的高価な商品をアピールする際に考えておきたい行動心理学のひとつだ。

「高価である≒希少性がある」といった商品特性があれば、このスノッブ効果は意識したい。人と同じものは買いたくない、いわゆる「かぶりたくない」といった心理を刺激するのだ。衣服や腕時計、バッグなど、その人のイメージを左右するものにおいて他とは異なっていることを意識したい層の持つ、「外的印象」を操作する商品を取り扱う時に功を奏する。多少高くてもこれを持つことで他の人とは違って見える、という、悪い言い方をすれば虚栄心をくすぐるやり方だ。

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4.バンドワゴン効果

これは、先のスノッブ効果とは真逆の手法。

特に生活必需品など、あまたある類似品の中で目立つための方法だ。実際にまちなかでも目にすることのある「行列のできる店」がこれにあたる。万人受けする味はないはずと解ってはいるのに、人がそこに集まっているというだけで何となくの安心感や満足感を得られる現象を指す。

これも先のスノッブ効果と同じく「他者の下す判断」に影響されている状態なのだ。このバンドワゴン効果は、あるポイントに悩みを持つ人に効果的なアピール方法だ。アレルギーがある、天然素材にこだわっている、長年悩んでいるトラブルがある、といった人向けの商品に置いて一定の反響を得るためには使ってみたい手法だ。

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5.カリギュラ効果

誰しも「これはダメ」と言われることでより興味を掻き立てられてしまった経験は持っているはずだ。

これがカリギュラ効果と呼ばれるものだ。行動心理学を利用したマーケティングの上で避けては通れないキーワードと言える。過激すぎるがあまりに上映が禁止された映画「カリギュラ」が、むしろ関心の的となったことから命名された現象だ。

テレビ番組の中でも、ピー音で消された著名人の発言がやけに気になったり、Webサイトでも「会員価格」が伏されてあったりすると、「見てみたい」という気分になる。「登録無料」の会員を獲得するためにも、これは必須ともいえるやり方だ。お得情報を送るための、オプトインのメールアドレスを獲得するにもかなり有効な手段だ。

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6.ハロー効果

ハローとは、「後光」を表す言葉。何かの面で卓越した技術を持った人がメディアに取り上げられ、これまで修めた学問や出身校などで更にその人物が魅力的に見えてしまうことを含め、「ハロー効果」と呼ぶ。

人は何かに価値を見出す時に、ある特定の面のみならず、トータルで判断をする傾向にある。このため、売りたい商品の良さを打ち出すだけでなく、有名タレントが愛用者の中にいることや、どこそこの会社にOEM供給していることなどを明示することもある。これこそがハロー効果だ。

会社概要に「取引先」を公開するのも、この効果を狙った側面がある。

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7.ザイオンス効果

接触する機会が増えるごとに、対象となる人や企業、商品に対する抵抗感がなくなってゆくことを指す「ザイオンス効果」。これも、日頃の生活の中でよく経験することだ。

テレビやラジオをつけると、よく考え抜かれたロゴとそのロゴが現れる際の効果音(サウンドロゴという)を見聞きする。最初は「この会社は何?」と思う会社であっても、見聞きする機会が増えればいずれ認知される。同じものを購入する際でも、圧倒的に知っている会社から購入しようとする、行動心理学の基本となる部分となる。

これは何も、CMでだけ効果を得られるものではない。オプトインのメールアドレスを入手できれば、定期的にお知らせを送ることもできる。

また、営業マンがあえて手書きのはがきを送り続けることで売り上げを劇的に上げたという事例からも、このザイオンス効果の効力を見て取れる。

8.ベビーフェイス効果

Webサイトに人物の画像を使用することはないだろうか。その際には、幼児や丸っこい印象のやわらかなイメージを抱かせる人物の写真を使用するとよい。ベビーフェイス、すなわち年齢が低いと認知される人物画像を使用することは、安心感につながるという心理を用いた手法だ。年齢が幼いということは、正直な人物であるという印象につながる。

また、最近よく各種のサイトで行われる「笑顔の人物を多数使用する」というのも、このベビーフェイス効果を狙っての事だ。社員(社風)や、アピールすべき商品の使用者が笑顔であることは、つまりこの安心感を印象付けることにつながる。

一方で、文章に専門性や威厳を感じさせたいときは、顔立ちのはっきりとした大人の男性の画像を用いるとよい。そのWebサイトから発信したいイメージをコントロールする手立ての一つが、この人物画像なのだ。

9.バーナム効果

誰にでもあてはまるようなことであっても、一旦自分個人に対しての指摘として受け取ってしまうと、その後はその人の言う事(Webサイトの記述)を信じてしまう心理を指す言葉が「バーナム効果」だ。

この点をよく理解しているのが占い師。「あなたは今、人生を左右するような問題を抱えているのですね」と開口一番に伝えることで、相手の心を掌握してしまう手法だ。

これは、ダイエット商品や健康維持のためのサプリメント、家電製品など、日々の生活の中での一般的な困りごとを解消したい場合に使える手立て。対象となるべき人物を「みなさん」とせず、「あなた」と記述することで、その困りごとが一般的なものであっても、それを読む一人一人の問題として置き換えて読んでもらえる。

10.ウィンザー効果

  • 「あの人がこう言っていたわよ」
  • 「あの人、最近●●を使ってみて良かったって言ってたわよ」

というのが、このウィンザー効果だ。

その商品(その会社)と利害関係がないと思われそうな人が、その商品を評価していると聞かされると、不思議とその評価を信じてしまいたくなるものだ。噂話というのは不思議なもの。

口コミサイトへの書き込みが、実際使ったこともないその商品や店舗への評価にすり替わってしまうのだ。その口コミを見て「買ってみようか」「行ってみようか」という判断基準となってしまう。これはWebマーケティングでも応用が比較的容易だ。「お客様の声」として第三者的意見を掲載することで、それが可能となる。

「一億総評論家時代」とも言える今だからこそ、大手通販サイトでは必ず「お客様の声」「口コミ」を自由に書き込めるようにしてあるのだ。



11.プラシーボ効果

医療用語としても定着している「プラシーボ効果」という言葉。薬理学的に効果のない薬を鎮痛薬として投薬しても、約30%の人に鎮痛効果が表れることが知られている。

つまり、商品やサービスについても同様で、「これはこういう効果があります」という謳い文句で一定の評価が得られることをも暗示している。「劇的な」「信じられないほど」「いまだかつてない」「すぐに」などのようなフレーズによって、その商品を手にした時に得られる効果を強調するのだ。

もちろん、ウソの数字や、誇張しすぎの表現を取り入れてしまうと信頼を失ってしまう結果となるので慎重に行うべきだ。

ある程度使用する期間が必要な商品には不向きな表現となるケースもある。よくよく考えて、うさん臭くない程度に活用して頂きたい。

12.ストループ効果

Webサイトの総合的イメージをコントロールする際にきちんと考えておかなくてはならない「整合性」。これがストループ効果だ。

赤インクで「青」と書いてあるボード被験者に見てもらったところ、青インクで「青」と書いてあるときよりも、インク色を正確に答えるための時間がかかる現象を指している。これは、目にする情報に統一性がなく混乱している状態を示しているとされる。この実験からもわかるように、Webサイトの設計からコンテンツ作成までを、きちんとイメージ統一するよう心がけなくてはならないことが理解できる。

特に、使用する画像データと文章は密接な関係を持っているため、これらから受ける印象がちぐはぐだと、本来訴求するべきポイントから読者の意識が逸れて行ってしまう。

先に文章ありきの場合、それにマッチする画像をいつでも使用できるよう準備しておこう。

13.罰への欲求

人間というもの、「ラッキー続き」ではむしろ不安になってしまうのが悲しいところだ。この考えは、健全な日常生活を送るためには、逆に必要な考え方でもある。「いつかは不幸だって訪れる」と心構えをしておけば、それに対しての備えもできているというもの。これは、何かの商品を購入する際にも働く心理だ。

商品を購入しようとする人は、その商品から得られるメリットがあれば、デメリットもあるだろうという推測を必ずしている。つまり、メリットばかりを誇張すると「この売り手は信頼ならない」と判断されてしまうこともある、と心得ておこう。これだけのメリットもあれば、こういうデメリットもありますという部分をちらっと見せておくことで信頼を得ることも可能なのだ。

これは、先に挙げた「ウインザー効果」(口コミ)とも重なる部分があることは理解して頂けることだろう。

14.コンコルド効果

超音速旅客機であるコンコルド、実は開発の比較的早い段階で「この事業は失敗、赤字だ」とされていたと言われる。だが、一旦走り出したプロジェクトは、それまで費やした時間や金銭を何とか取り返そうとして、なかなかストップできない。これは、購買をつかさどる行動心理にも当てはまる。

大手通販サイトを訪れた際に、

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と迫られると、つい余計な買い物をしてしまった経験はないだろうか。目の前にある「さらなるメリット」を追求するがあまり、追加購入をしてしまうのだ。

取り扱う商品がシリーズものである場合は、このコンコルド効果を狙うことができる。シリーズを揃えることに意義のある品であれば、一つひとつを購入することで揃えようとしている人に「この商品は残り●個です」と伝えることで財布の紐を一気に緩めてもらえることだろう。



15.松竹梅の法則

類似商品が並んでいれば(特に日本人に顕著とされるが)、真ん中の金額のものを選んでしまう現象を指す。一番安い商品Aより少しだけ高価な商品Bは「せっかく買うなら性能が最低限の商品Aよりも、商品Bの方がいい」と判断される。

また、更に高い商品Cに対しては「ここまで高性能でなくても大丈夫だろうから、商品Bを選ぼう」と理解するのだ。特に消費活動が落ち込んでいるとされる近年では、この「金額の比較」をしてもらうために、敢えて高額商品を用意しておく必要がある。

もちろん、高額な商品Cは、本当にそれを求める人のためにも準備しておく必要がある。商品の取り揃えの段階で、この「松竹梅の法則」は織り込んでおくべきポイントだ。単にこの「松竹梅の法則」のためだけでなく、まずは試したいという人のために商品Aも必要となる。

16.同調現象

購入しようと検討している商品に対して知識がない、調べている時間がないなどの理由で、本来の購入理由が決定打とならない場合、人は他の人に同調しようとする。「あの人も、この人も使っているから大丈夫だろう」という安心感を得たいのだ。

端的に言うと、「ブーム」がこれに当たる。特に日本人は横並びを好む。このため、「とにかく多くの人が使っているものを購入しておけばハズレを引くことはないだろう」と考え、口コミなどを意識するのだ。人それぞれの使用感は口コミ本文を見れば「合う・合わない」がはっきりとわかるが、総合評価の星の数とそれに投票した人数をまず気にするのも、この同調現象と捉えられるだろう。「多く売れているもの=良い物」と認識してしまうのだ。

大手通販サイトでは「この商品を見た人は、このような商品も見ています」と表示させるのは、このような集団心理ともいえる現象を理解しているからだ。



17.吊橋効果

危険とも思える困難を共にした人たちが連帯感を持ち、相手を身近に感じることは「吊橋効果」と呼ばれ良く知られている。これは、Webマーケティングにおいても同じことが言える。

例えば、ダイエット関連商品など「お悩み解消商品」では顕著だが、体験談を掲載することで「私と同じだ」と思ってもらうことで購買意欲の背中を押すのだ。自分自身の経験などと重ね合わせることで、「この商品は自分を助けてくれるかもしれない」と確信めいたものを抱くようになる。

これは、先に挙げた「バーナム効果」や「ウィンザー効果」とも重なる部分がある。同じような体験をした人がいいと言うのであれば、と興味を持たせることができるのだ。

ここで注意をしたいのが、商品のメリットだけを大々的にアピールしない事。まずは「大きなな悩み」「越えがたい障壁」をどんとコンテンツの中心に据え、それを解消する方法として商品をそっと差し出すのがベストだ。

18.フォールス・コンセンサス

「他の人も、自分と同じ意見だろう」という自己肯定の心理現象を指す。これは、先に挙げた「同調現象」とは逆ではありながら、結果はほぼ同じであるところが特徴だ。「他の人が自分と同じ意見だろう」「自分の意見は他の人と同じだろう」という、向いている方向は異なれど、「自分の意見≒他の人の意見」という公式がそこにはある。

ここでも役立つのが、口コミや体験談を利用した行動心理学の応用だ。はっきりとした目的のある買い物をしたいと考えている人が、「その決断は正しいのですよ」と確信するために口コミを確認することとなる。

このように、ある商品を購入することに対して自らある程度の仮説(購入したときのメリットの理解)を持っている人には、商品のゴリ押しは不必要。ちょっとだけ背中を押し、「大丈夫ですよ」と伝えるだけでよいのだ。

19.初頭効果

人が人を判断するとき、最初の数秒間で受けた印象がその判断に大きな影響を与えるとされている。「第一印象こそ命」ともいえる。これは、Webサイトでも同じことだ。見た目のデザインも重要であるし、そこに入れ込むべきコンテンツも重要。「見た目はいいけれど、読みごたえがない」となると、一度訪れて最後の残念なサイトとなってしまう。

サイトの設計も大事だ。コンテンツを端的に表現する「メインメニュー」は、強く訴えたいものから順に左から右へ配置しよう。日本語は、左から読まれるものだからだ。最初に目にしたものから順に記憶される。

ページソースも、左のものほど上位に記述されるから、SEOの観点からも大事なのだ。検索エンジンクローラーはソースを上から読む。人の目から見ても、検索エンジンクローラーの挙動を考えた時にも、初頭効果を意識した作りにしたい。

20.権威への服従原理

私たちが常日頃目にする情報には、新聞や雑誌、テレビニュースなどがある。専門分野に話題が及ぶと必ず現れるのが「その道の権威者」だ。

  • 「気象に詳しい●●大学の…」
  • 「犯罪心理を研究している●●氏によると…」

―このように、専門家による意見は、受け取り手の脳でその人なりの噛み砕きが行われ、その人自身の解釈へとつながってしまう。取り扱う商品がサプリメントであったり化粧品であったりした場合、含有成分を解説する際にこれらの専門家のコメントを添えることには、上記のような効果をもたらす。「●●先生がいいと言っているのだから」という心理が働くのだ。

それらの「権威ある人」からコメントをもらえるようであれば、そういった人に登場してもらうのもひとつの手法だ。

21.クレショフ効果

同じ人物画像でも、1枚の写真に同時に収めるものによって印象が大きく異なることを指す「クレショフ効果」。同じショットの中に同時に収まるものにより、無表情の男性が内に秘めた思いを表現したこの映画作家の手による実験だが、表現したい(アピールしたい)商品の魅力を打ち出すために、画像がどれほど大きく影響するのかが理解できるものだ。

20年ほど前から流行っている手法でいささか古い印象もあるが、名刺やWebサイトに満面の笑顔の営業マンの写真を掲載することがある。「この人になら電話をかけてみてもいいかな」と、安心感を抱いてもらうのだ。

これは、Webコンテンツでも同じことが言える。使用すべき写真の組み合わせや順序を間違えると、正しいアピールにならないことがある。

ライティング技術と同時に、使用する画像の大事さがよくわかる実験結果だ。

22.返報性の原理

通常の感覚を持った人であれば、いつも良くしてくれる人には何らかのお礼をしたいと考えるものだ。

  • 「化粧品を買いに行ったら、いつも大目にサンプルをくれる」
  • 「特定のWebサイトをよく見るけれども、情報が充実していて無料なのが申し訳ない」

などが代表例だろう。

このような場合、その人物(会社)に何らかの形でのお礼≒購入行動で返そうとする。そのためにも、Webサイトのコンテンツは常にフレッシュで充実したものにしておくべきだ。

また、メールマガジンなどの形ででも、情報発信をし続ける必要がある。直接的に購入行動に至ってもらえなくとも、ページのURLをシェアしてもらえたり、勉強熱心でよい会社だという印象につながったりという効果もあることから、コンテンツの充実は手を抜けない部分と言える。



23.決定回避の法則

選択肢が多くなればなるほど、人間は冒険ができなくなる。じっくりと比較するための時間があり、またその商品自体長期間使用しなくてはならないもの(大型家電がその例)であればしっかり比較もするが、生活に身近な商品になればなるほど選択肢は少ない方がよい。

大型のディスカウントショップやドラッグストアで、何を購入しようか迷った経験はないだろうか。その店に2時間も3時間もいられるのであれば別だが、ついついいつもと同じものを購入してしまってはいないだろうか。店側は、売れ筋商品へのチェンジや棚替えなどの努力をしているのにもかかわらず、だ。

これも、Webマーケティングにおいて同じことが起こることが考えられる。同じページに類似商品を多数揃えても、見る側は単に迷うだけ…。関心ジャンルが異なる商品を同じページに揃えるのも意味のないこととなる。

24.プロスペクト理論

利益を得る場面ではリスク排除を、損失を被ることが避けられないケースではその損失を最小限にとどめようとする行動心理を「プロスペクト理論」と呼ぶ。1億円が100本の宝くじと100万円が10000本の宝くじであれば後者を選ぶだろう。リスクは最小限に留めたいのは、人としての当然の心理だ。

例え得られる利益が減るとしても―。利益もあるがリスクもある、通常の商品はそれが当たり前だ。そのために求められるのが、「数字のマジック」「言葉遊び」なのだ。

満足度が50%の商品があったとして、

  • 「当商品を使用した半数の方がリピーターです」

と表現するのと、

  • 「ご満足いただけなかった半数の方にはご返金を行いました」

と伝えるのとでは、どちらが印象がよいだろうか。

いくら返金制度があるとしても、やはり前者の表現で「満足した人は繰り返し購入しているのか」と知ってもらえる方がはるかにメリットがある。

25.ヴェブレン効果

価格帯が上昇するほど需要が減るのが通常の商品だ。

だが、財力などステイタスを顕示したいがために購入される商品(≒ブランド品)はそれとは異なり、需要が減ることはないとするのがこの「ヴェブレン効果」だ。上で挙げた「スノッブ効果」と似ていると思われがちだが、その商品自体に価値があるのか、その商品を所有することに価値があるのかで使い分けられることもある。

いずれにせよ、「他の人と同じものを購入する事では飽き足らない層」がこのヴェブレン効果にそった消費行動を起こすことは周知の事実だ。そのため、商品自体に価値があると判断できれば、その商品そのものをブランド化することも求められる。

単に価格が高いだけでは購買行動は起こしてもらえない。

26.シャルパンティエ効果

数字や比較対象の物質の置き換えによって、その商品から得られる効果をより効果的に打ち出すための手法。同じ1kgであっても「鉄」と表現するのか、「紙」と表現するのかでイメージする重量が異なるのはなぜだろう。

テレビCMでも

  • 「1日これだけの野菜を摂取しなくてはなりません―無理ですよね。これを補うのがこの1杯」

と言われると何となく納得してしまうのはなぜだろう。

このように、数字や物質の置き換えで、その商品の持つ「効果」や「お得感」を演出するのがこのシャルパンティエ効果だ。商品イメージの醸成以外にも、長々とした文章を読んでいられない多忙な人にもストンと腑に落ち、覚えていてもらえる文章をつくることができるのが、この「置き換え」。ウソや誇大表現でない範囲内で置きかえしてみよう。



27.マッチングリスク意識

「購入するのはいいけれど、効果がなかったらお金をどぶに捨てるようなもの」「アレルギーがあるので購入自体迷ってしまう」という人も少なからず存在する。特にダイエット関連の食品や、アレルギー肌用化粧品などが代表例だろう。

そういった商品の購入者には、多くの場合「ジプシー」と呼ばれる購買者がいる。自分に合ったものを探し続けて、何年も運命の商品に巡り合えていないという辛い立場にある人たちだ。彼らのリスクを引き受けてあげるのはどうだろう。

  • 「お肌に合わなければ返金致します」
  • 「最初の1本は現品サイズですが代金は不要です」

のような形で試してもらうのだ。

そのような謳い文句は、同時に「商品への自信の表れ」と受け取ってもらえることもある。安心して使ってもらいたい商品であればあるほど、このような措置を掲げておくのは購入行動のハードルを下げることになる。

忙しい人に「端的に伝える」ことがキモ

このように、マーケティングの面でも学んでおくとよい、行動心理学にまつわる「効果」は多岐にわたる。1商品1ページで全てを網羅することは不可能だが、商品特性やアピールしたい層に合わせて使い分けてみたいテクニックばかりだ。

全てのテクニックに共通して言えるのは「その商品をイメージ付ける」「記憶してもらう」「得られる効果を解りやすくする」ことに尽きる。サイトを訪れる人たちは、そのほとんどが多忙な中でより良い商品を探しているということを忘れてはならない。端的にその商品の良さを伝えなくてはならないのだ。上記27点を、成約率アップを目指したページ作りに役立ててほしい。



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